2022 Fiscal Year Annual Research Report
免疫プロファイルに基づく肺がんのリスク層別化手法の構築
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20H03695
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
白石 航也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 部門長 (80609719)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 肺腺がん / HLAアリル / 次世代シークエンス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続きHLAに着目した体細胞変異との統合解析を実施した。アジア人で最も高頻度に認められ、かつ肺がんリスクと関連を示したHLA-A *24:02アリルに着目し、1,167例の肺腺がん由来の全エクソンシークエンスデータを用いたHLALOH解析を実施し、各アレルのLOH(ヘテロ接合性喪失)の頻度を検討した。その結果、最も発がんリスクに関わるHLA-A *24:02アリルのLOHが最も頻度が低く、一方発がん抑制に関わるHLAアリルでは逆にLOHの頻度が高かった。さらにHLA-A *24:02アリルでは異物として認識するネオアンチゲン数が少なかった。以上の結果より、がん細胞はネオアンチゲンを認識しやすいHLAアリルを排除する傾向があるのに対して、一方でネオアンチゲンとして認識しにくいHLAアリルは見過ごすことで免疫回避機構を活性化することで、肺腺がんリスクに寄与する可能性を示した。さらに日本人を対象とした肺腺がんに対する全ゲノム関連解析を実施し、免疫関連に関わる感受性遺伝子があるかを確認した。その結果、19個の感受性遺伝子を同定した。その内で、BTNL2、BTN2A1といったブチロフェリン様遺伝子の多型を同定し、それらのリスクバリアントが血球中の遺伝子発現量と負の相関を示した。BTNL2、BTN2A1遺伝子はγδ T細胞の分化誘導に寄与することが知られていることから、HLAアレル以外にも肺腺がんの発がんリスクに免疫回避機構が複数関与している可能性を示した。さらにアジア人非喫煙者肺腺がんを対象とした全ゲノム関連解析を実施し、28個の感受性遺伝子の同定にも寄与した。さらに免疫チャックポイント阻害剤の治療効果や有害事象との関連について検討するため、対象となる症例を426例を抽出し、HLA-A *24:02アリルと治療効果との関連を検討したが、統計学的に有意な差は認められなかった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)