2020 Fiscal Year Annual Research Report
腎構成細胞「亜集団」の細胞老化が腎臓の老化と障害応答性に与える影響の解明
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20H03697
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柳田 素子 京都大学, 医学研究科, 教授 (70378769)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 亜集団 / シングルセル / 急性腎障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、急性腎障害(AKI)が高率に慢性腎臓病(CKD)や末期腎不全へと移行することが注目を集めているが、AKIがCKDに移行するメカニズムについては未解明の点も多い。 (A)AKI-CKD移行モデルにおける高齢・若齢マウス腎のシングルセル解析 本課題では、AKI-CKD移行モデルである重症虚血再灌流モデルやアデニン腎症モデルを用いて、「AKI期」と「CKD移行期」における腎臓のシングルセル解析を行い、全構成細胞の亜集団を同定するとともに、「AKI期」から「CKD移行期」における亜集団の変化を検証した。 (B)遺伝子ネットワーク解析・ligand receptor解析と亜集団特異的な誘導型Creを用いた亜集団の時空間的挙動・細胞間クロストークおよび機能解析 次に同定した亜集団の遺伝子ネットワーク解析を行うことで、同亜集団が「AKI期」から「CKD移行期」にどのように変貌するのかを解析した。加えて同亜集団に発現するリガンドや受容体を同定し、ligand receptor解析を行うことで、他の細胞集団とのクロストークの可能性を探った。さらに亜集団に特異的に発現する遺伝子を同定し、亜集団特異的誘導型Cre(CreERT2)を作成することで、同集団の系譜追跡や同集団を特異的に障害するTRECK法を用いて同細胞の機能解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(A)の研究は予定どおり進捗した。また、(B)においては、シングルセル解析のエキスパートとの共同研究が実現し、ligand receptor解析に有用な助言を得ることができたため、予定よりも進捗した。
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Strategy for Future Research Activity |
(A)(B)の実験で同定し、その病態における意義を明らかにした亜集団が老化に伴い、どのような形質の変化をきたすのかを明らかにする。
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