2021 Fiscal Year Annual Research Report
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20H03699
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小林 明雄 熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (90840223)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腎臓発生 / 前駆細胞 / 細胞系譜境界 / ネフロン / PAX2 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類腎臓においてネフロンと間質の間に細胞系譜境界が存在することを生体内で明らかにした。さらに、このネフロン・間質間の細胞系譜境界が、ネフロン前駆細胞におけるPax2遺伝子の機能によって形成されることを発見した。さらにマウス生体内におけるネフロン分化細胞特異的なPax2不活性化により、Pax2がネフロン分化後も機能を有していることが明らかになった。また、Gain-of-function解析を行うため、レンチウイルスを用いて、培養腎臓中でPAX2を含むネフロン前駆細胞に重要と考えられている因子を強制発現させた。発生中の腎臓を1細胞RNA-seq解析することで、腎臓前駆細胞の由来に関する新規の発見があった。今後は、さらなるPAX2の機能を解明することでネフロンと間質間における細胞系譜境界の制御機構を明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ネフロン分化におけるPax2遺伝子の機能をマウス生体内で同定した。また、エピトープタグをPAX2のC末端に導入した遺伝子改変マウスを作製するためのターゲティングベクターの作製を行った。培養腎臓中でPAX2を含むネフロン前駆細胞に重要と考えられている因子を強制発現させた。PAX2を欠損したヒト腎臓オルガノイドの培地条件と表現型に相関があることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
エピトープタグをPAX2のC末端に導入した遺伝子改変マウスを作製し、1細胞RNA-seq解析およびChIP-seq解析によるPAX2のターゲット遺伝子を同定する。ネフロン前駆細胞に重要と考えられているどの因子が、ネフロンと間質間における細胞系譜境界の制御に関わっているのか明らかにする。ヒトPAX2変異であるRenal coloboma syndrome (RCS)の疾患モデルの樹立のため、ヒトPAX2-/- 腎臓オルガノイドの培地条件と表現型の相関解析をさらなる検討を引き続き行い、最終的な条件を決定する。
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