2023 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment, maintenance and perturbation of the skin regionalization by the positional information
Project/Area Number |
20H03706
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤原 裕展 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (20615744)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 領域特異性 / 細胞外マトリックス / 位置情報 / 皮膚 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚の構造と機能の身体部位ごとの多様性は、生物の環境適応戦略にとって重要な役割を果たす。しかし、組織損傷後の修復・再生過程では、しばしばその領域性が失われ、一様な瘢痕等として不完全な修復がなされる。本研究では、明瞭な領域特異性を持つ皮膚が、発生過程でどのようにして部位ごとに異なる性状の皮膚を作り出すのか、そして組織修復の過程でなぜ領域性が失われ、それが回復しないのか、そのしくみを明らかにする。特に、領域特異性や位置情報(体の番地に例えられる)に深く関わる間充織細胞と細胞外マトリックス(ECM)の多様性に着目し、これらが器官の『位置情報システム』として機能するしくみに迫る。昨年度までに、マウス背部皮膚を用いて、皮膚のECMのmRNA発現と蛋白質の組織内空間情報を網羅した「Skin ECM atlas」を作成した。さらに、有毛皮膚の特徴である毛包の発生と再生に欠かせない線維芽細胞「毛乳頭細胞」に着目し、その周囲ECMが基底膜分子であることを明らかにした。今年度は、毛乳頭周囲のECM環境を構築している基底膜分子のうち、特にインテグリンのリガンドとして機能するラミニンとの相互作用の分子基盤に着目して研究を推進した。その結果、毛乳頭の周囲には、特定のラミニンアイソフォームが異なるパターンで沈着していること、毛乳頭はそれぞれのラミニンアイソフォームに異なるインテグリンを使って異なるアフィニティで接着しているこが明らかとなった。このような間充織のECM環境の局所的な変化が、皮膚発生時や再生時の線維芽細胞の挙動や状態を制御することで、皮膚全体の表現型に影響を及ぼしている可能性が浮上した。今後は、発生・再生過程でこの間充織ECMから基底膜ECMへのスイッチングがいつどのようにして起こるのか、それを操作すると、皮膚の表現型にどのような影響が現れるのか等に着目して、研究を進めていきたい。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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