2020 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアダイナミックスによる白血病幹細胞制御機構の解明と新規治療への応用
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20H03714
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中島 秀明 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30217723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國本 博義 横浜市立大学, 医学部, 助教 (80464923)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 白血病 / 白血病幹細胞 / ミトコンドリア / ミトコンドリアダイナミックス / マイトファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
白血病幹細胞(LSC)の生成・維持にはミトコンドリア機能が重要とされているが、LSCにおけるミトコンドリア動態、すなわちミトコンドリアダイナミックスがいかに制御されているのかは不明な点が多い。そこで本研究では、ミトコンドリアダイナミックスがLSC制御にいかに関わっているのか、その中でも特にマイトファジーとミトコンドリア融合に焦点をあて、これらの機能異常とLSCバイオロジー・治療反応性との関連について解析した。 2020年度は、ミトコンドリアダイナミックスがLSC機能をどのように変化させ、また化学療法抵抗性を付与するかどうかを、マウスモデルを用いて解析した。具体的には、MLL融合遺伝子など各種白血病関連遺伝子をレトロウイルスを用いて正常マウス造血幹前駆細胞(HSPC)に発現させてAMLモデルを作成し、これらを用いたミトコンドリア機能解析を行った。またあわせて、ミトコンドリア機能と化学療法抵抗性の関係をFACS、生存解析、継代移植、抗癌剤のin vitro 感受性試験/in vivo 治療モデルなどで明らかにした。さらに、ミトコンドリア状態と化学療法抵抗性との関係、それらの基盤となる分子メカニズムを探るため、上記で作成したAMLモデルから白血病幹細胞を単離し、RNAシーケンスを施行して遺伝子発現の点から解析した。 一方、急性骨髄性白血病(AML)患者検体の解析については、コロナ禍のため検体収集に遅れを生じており、予定より若干の遅れを見せている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
白血病幹細胞とミトコンドリアダイナミックスとの関係については、ほぼ計画通り研究が進行しているが、上記の通り、急性骨髄性白血病(AML)患者検体の解析については、コロナ禍のため検体収集に遅れを生じており、予定より若干の遅れを見せている。
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Strategy for Future Research Activity |
白血病幹細胞とミトコンドリアダイナミックスとの関係については、今後も計画通り研究を進める予定である。特に化学療法抵抗性とミトコンドリアダイナミックスとの関係について、メカニズムに焦点をあて研究を進めていく。 急性骨髄性白血病(AML)患者検体の解析については、コロナ禍のため依然として検体収集が予定通り進行していないが、今後はコロナ禍の収束を見据えて検体収集を加速させる予定である。
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