2022 Fiscal Year Annual Research Report
HIV-1潜伏感染におけるfibrocytesおよびマクロファージの意義の解明
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20H03725
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
鈴 伸也 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 教授 (80363513)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 潜伏感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの解析から新たなHIV-1潜伏感染細胞として末梢血中のfibrocytesを同定してきたが、3年以上の長期に渡る抗レトロウイルス療法を行い、長い間、血中ウイルス量が検出限界以下になった感染者において、なぜfibrocytes中にウイルスゲノムが存在するのかは全く不明であった。本年度の研究によって、fibrocytesが組織と末梢を循環しやすい特性を有していることが明らかとなった。まず、fibrocytesは末梢血だけでなく、リンパ節にも存在することを見出した。どちらもHIV-1受容体CD4及びCCR5を高発現するなど、これら細胞の表現型は似ているだけでなく、HIV-1に感受性が高いと予想された。さらには、末梢血中及びリンパ節中にfibrocytesは、細胞がリンパ節などに入る際に重要な役割を果たす分子CCR7及びリンパ節などから出る際に重要な役割を果たす分子sphingosine-1-phosphate receptor 1 (S1PR1)を高発現することも見出した。つまり、fibrocytesは末梢からリンパ節などの組織に移行しやすく、かつ再び末梢に循環する特性を有する可能性が示唆される。一方、長期治療中の感染者では血中にウイルスは検出されないものの、薬剤が到達しにくい組織内に残存すると考えられており、リンパ節がその代表と予想されている。従って、本年度の成果により、fibrocytesが、その高い HIV-1感受性と、末梢と組織を循環しやすい特性のため、リンパ節などで残存HIV-1に感染する、と言う新たな可能性が示唆された。これらは今後、HIV-1潜伏感染細胞の排除に向け、有用かつ重要な情報と期待される。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)