2022 Fiscal Year Annual Research Report
エイズ完治療法に必要な細胞傷害性T細胞の同定とその誘導法の研究
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20H03726
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
滝口 雅文 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, シニア教授 (00183450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近田 貴敬 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 特任講師 (60749711)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | HIV-1 / 細胞傷害性T細胞 / 完治療法 / 逃避変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
cART治療患者(2年間以上治療し、治療中ウイルス量の検出が見られない人)90名で、63種類のT細胞エピトープに対するHIV-1特異的T細胞を解析した。71名でcART下でもHIV-1特異的T細胞が検出できた。調べたT細胞反応数の42%が、2年間以上のcART治療下でも検出できた。検出できたHIV-1特異的T細胞は、HLA-B拘束性のものが、HLA-AあるいはHLA-C拘束性のものより多かった。治療前と治療2年以上経ってからのHIV-1特異的T細胞の抗原特異的増殖機能を調べたところ、治療後の増殖能が明らかに増加していた。特にAIDSで治療に入った患者で、その傾向が強く見られた。 HLA-B*67:01は頻度が非常に少ないHLAアリルのため、研究解析用のサンプルの収集も難しく、protective alleleとしての機序の解析が詳細にされていなかったが、24名の日本人のHLA-B*67:01陽性HIV-1感染者の解析を行い、新たに6つのHLA-B*67:01拘束性T細胞エピトープを同定した。以前に明らかにした2つのエピトープと合わせて、8つのHLA-B*67:01拘束性エピトープに対するT細胞を解析した結果、4つのエピトープに対するT細胞の出現が良好な臨床指標(pVLの低下およびCD4T細胞数の増加)と有意な相関が見られた。この4つのエピトープ内の変異を解析したところ、PolAL10では9Iの変異の蓄積が、NefRY11では1Kの変異蓄積が見られた。これらの変異に対するT細胞の認識を調べたところ、PolAL10特異的T細胞は9Iを認識するが、NefRY11特異的T細胞は1Kを認識できないことが明らかになった。これによりHLA-B*67:01陽性HIV-1感染者では、RY11の1K変異のみが、T細胞の認識に影響を与える変異と考えられた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)