2022 Fiscal Year Annual Research Report
高度STI耐性(STI-R)HIV発現機序の解明と新規抗STI-R-HIV剤開発
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20H03727
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
満屋 裕明 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 研究所長 (20136724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 学 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (70389542)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | HIV-1 / インテグラーゼ阻害剤 / 薬剤耐性 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はインテグラーゼ阻害剤(INSTI)を含む臨床で主に使用されている4クラスの薬剤全てに高度耐性を示すHIV-KGDを試験官内での耐性誘導実験で得る一方、我々のグループが開発したHIVプロテアーゼ(PR)阻害剤GRL-142(Aoki & Mitsuya, eLife, 2017, e28020)が、HIV-KGDに対して極めて高い抗HIV活性(IC50=130 fM)を発揮することを本研究で確認した。 GRL-142は、HIV-KGDのインテグラーゼ(IN)領域のみを導入した感染性組換えHIVクローンに対しても高い活性を維持した。またHIV-KGDのINのcatalytic core domain(IN-KGD)とのX線結晶構造解析において、GRL-142はIN-KGDのダイマーインターフェースに結合しており、その一部が結合部位近傍の核移行シグナル(NLS)と直接結合、相互作用することを確認した。更に、GRL-142の存在下で産生した感染性組換えHIV-KGDクローン(rHIV(PR-KGD/RT-KGD/IN-KGD/142+))を細胞に感染させると、細胞内で逆転写反応により生成するウイルスcDNAが核移行した際に形成される2-LTR circular cDNAが著しく減少することが分かった。以上より、GRL-142 がPRだけではなく、特にINSTIに耐性を獲得したINにも結合し、ウイルスcDNAの核移行を阻害することでHIV-KGDに対して極めて高い抗HIV活性を示すことが分かった。本研究は、PRとINの二つのウイルスタンパク質を強力に阻害し、且つウイルスcDNAの核移行を阻害する新たなHIV感染・増殖の阻止メカニズムを明らかにしたことで、現在世界的な懸念材料となっているINSTI耐性HIVに感染した感染者に対する治療薬開発に大きく資するものと思われる。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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