2021 Fiscal Year Annual Research Report
Depletion of M2-like macrophages promotes recovery from skeletal muscle injury via the disruption of interaction between M2-like macrophages and muscle mesenchymal stem cells
Project/Area Number |
20H03730
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
戸邉 一之 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (30251242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 朝信 富山大学, 附属病院, 医員 (40779021)
瀧川 章子 富山大学, 附属病院, 医員 (80647454)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | M2マクロファージ / 骨格筋損傷 / 間葉系幹細胞 / TGFβ |
Outline of Annual Research Achievements |
1)M2マクロファージ(MΦ)の除去で予想とは逆に骨格筋損傷からの回復が促進されることが判明:先に、我々は脂肪組織において、M2MΦが間葉系前駆細胞様(MSC)の脂肪細胞幹細胞(ASC)のニッチになっており、M2MΦの除去により、ASCが増殖し脂肪細胞に分化することによりインスリン感受性が亢進することを見出した(Nawaz et al., Nat Commun.2017, Igarashi et al., Sci Rep. 2018)。骨格筋においてもM2MΦがMSC細胞様の性質を持つFAP(Fibro-adipogenic Progenitor)細胞を調節し、骨格筋損傷からの回復に何らかの影響を与えるのではないかと考えた。M2MΦは組織修復作用があるというのが定説であったため、損傷がさらに悪化することが予想された。M2MΦを任意のタイミングで除去可能なCD206DTRマウスの前脛骨筋をcardiotoxinで損傷後、day3,day5にジフテリア毒素を投与してM2マクロファージを除去したところ、予想とは逆に骨格筋損傷からの回復が促進された。実際、MyoD1,Myogeninなどの筋芽細胞や筋管細胞のマーカーの発現が上昇しており、分化過程が促進されていることが確認された。 2)肥満マウスで骨格筋損傷からの回復が遅延するメカニズム:高脂肪食を負荷したマウスにおいて骨格筋損傷後にM2MΦを除去すると損傷からの回復が促進されるものの、若年マウスに比べると回復は遅れていた。 3)モノクローナル抗体の作成:ヒト型CD206抗原の細胞外の部分を含む蛋白を作製しCD206欠損マウスに投与した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)M2MΦの除去により、予想とは逆に骨格筋損傷からの回復が促進されることを明らかにすることができた、さらに、遺伝子発現解析で、MyoD1,Myogeninなどの筋芽細胞や筋管細胞のマーカーの発現が上昇しており、分化過程が促進されていることが確認された。現在、M2MΦが間葉系前駆細胞様の性質を持つFAP(Fibro-adipogenic Progenitor)細胞を調節しているという仮説のもとに実験を進めている 2)肥満マウスで骨格筋損傷からの回復が遅延するメカニズム:高脂肪食を負荷したマウスではにおいて骨格筋損傷からの回復が遅延していた。一方、M2MΦの除去により、損傷からの回復が促進されるものの、若年マウスに比べると回復は遅れていた。このメカニズムについても、FAPの遺伝子発現を網羅的に解析している。 3)モノクローナル抗体の作成:ヒトCD206抗原蛋白を作製し投与を予定している
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Strategy for Future Research Activity |
①骨格筋損傷後のM2MΦ除去のFAPにおける遺伝子発現変化をRNAseq法で網羅的に確認をすすめる。特に、FAPから分泌され、骨格筋損傷からの回復を促進する分子を探す。 ②M2MΦにおけるTGFβの役割を明らかにするため、M2MΦ特異的なTGFβ1欠損マウスを作製し、損傷からの回復を確認する。 ③肥満マウスにおける損傷回復の遅延のメカニズムをFAPにおける遺伝子発現を網羅的探索することにより見出す。 ④ヒトCD206抗原蛋白をマウスに投与しモノクローナル抗体を作製する。
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Research Products
(50 results)
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[Presentation] EGFR遺伝子変異陽性例におけるPD-L1とPFS・T790M遺伝子変異検出割合との関連. (Association of tumor PD-L1 expression with the T790M mutation and progression-free survival in patients with EGFR-mutant non-small cell lung cancer receiving EGFR-TKI therapy.).2021
Author(s)
猪又峰彦, 水島伊佐美, 畦地健司, 髙田巨樹, 林 加奈, 徳井宏太郎, 高 千紘, 岡澤成祐, 神原健太, 今西信悟, 三輪敏郎, 林 龍二, 松井祥子, 戸邉一之.
Organizer
第61回日本呼吸器学会学術講演会
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[Presentation] Malignancies concomitant with IgG4-related respiratory disease.2021
Author(s)
Matsui S, Okazawa S, Tokui K, Azechi K, Takata N, Hayashi K, Taka C, Imanishi S, Kambara K, Inomata M, Tobe K.
Organizer
American Thoracic Society 2021 International Conference
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[Presentation] 肥満による脂肪組織常在性マクロファージの極性変化.2021
Author(s)
西村 歩, 角 朝信, アラー ナワズ, ムハンマド ビラール, 桑野剛英, 渡辺善之, アスラム ラヒール, 劉 建輝, 藤坂志帆, 八木邦公, 生田宏一, 戸邉一之.
Organizer
第64回日本糖尿病年次学術集会
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[Presentation] 脂肪組織におけるマクロファージ、前駆脂肪細胞およびベージュ脂肪細胞.2021
Author(s)
桑野剛英, 五十嵐喜子, アラーナワズ, ムハンマド ラヒール アスラム, ムハンマド ビラール, 西村 歩, 渡辺善之, 角 朝信, 藤坂志帆, 八木邦公, 戸邉一之.
Organizer
第64回日本糖尿病年次学術集会
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[Presentation] Fate of adipocyte progenitors during adipogenesis upon high fat diet feeding.2021
Author(s)
Muhammad Bilal*, Allah Nawaz, 角 朝信, 五十嵐喜子, Muhammad Rahil Aslam, 渡邊善之, 西村 歩, 桑野剛英, 劉 建輝, 藤坂志帆, 八木邦公, 戸邉一之.
Organizer
第64回日本糖尿病年次学術集会
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[Presentation] 高脂肪食負荷により脂肪組織常在性マクロファージは脂質関連マクロファージへ変化する.2021
Author(s)
西村 歩, 角 朝信, 渡邊善之, 桑野剛英, Muhammad Bilal, Muhammad Rahil Aslam, Allah Nawaz, 劉 建輝, 石本喜子, 藤坂志帆, 八木邦公, 戸邉一之.
Organizer
第64回日本糖尿病年次学術集会
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[Presentation] The role of CD206+ M2-like macrophages in tumor progrression.2021
Author(s)
角 朝信, 西村 歩, Nawaz Allah, Muhammad Bilal, 桑野剛英, 渡辺善之, Muhammad Aslam Rahil, 劉 建輝, 藤坂志帆, 八木邦公, 戸邉一之.
Organizer
第64回日本糖尿病年次学術集会
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[Presentation] Role of immune cells(macrophages) in recovery of muscle after injury.2021
Author(s)
Allah Nawaz, 角 朝信, Muhammad Bilal, 五十嵐喜子, 岡部圭介, 渡邊善之, 西村 歩, 劉 建輝, 八木邦公, 藤坂志帆, 中川 崇, 戸邉一之.
Organizer
第64回日本糖尿病年次学術集会
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[Presentation] Role of adipose tissue-resident macrophages in the regulation of insulin sensitivity.2021
Author(s)
Allah Nawaz, 角 朝信, Muhammad Bilal,Muhammad Rahil Aslam, 五十嵐喜子, 岡部圭介, 西田康宏, 渡邊善之, 西村 歩, 桑野剛英, 八木邦公, 中川 崇,藤坂志帆, 戸邉 一之.
Organizer
第64回日本糖尿病年次学術集会
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[Presentation] 手術前後に75gOGTT て?経過を確認て?きたインスリノーマの一例.2021
Author(s)
山田眞之介, 瀧川章子, 横山茉貴, 朴木久恵, 圓角麻子, 藤坂志帆, 中條大輔, 石木 学, 岩田 実, 八木邦公, 戸邉一之.
Organizer
第95回日本糖尿病協会中部地方会
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[Presentation] 当施設における抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎患者の転帰にかかわる因子についての後ろ向き研究.2021
Author(s)
木戸敏喜, 篠田晃一郎, 岡田幾磨, 小檜山葵, 小野瀬崇文, 川高正聖, 山崎美帆, 浅野諒子, 松井 篤, 山口智史, 津田玲奈, 朴木博幸, 戸邉一之.
Organizer
第32回中部リウマチ学会
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[Presentation] 関節リウマチに対するアバタセプト投与中の逆説性乾癬に対してトファシチニブが著効した2症例.2021
Author(s)
篠田晃一郎, 朴木博幸, 津田玲奈, 山口智史, 松井 篤, 木戸敏喜, 浅野諒子, 川高正聖, 山崎美帆, 小野瀬崇文, 小檜山葵, 岡田幾磨, 戸邉一之.
Organizer
第32回中部リウマチ学会
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[Presentation] EGFR遺伝子変異陽性肺癌の免疫チェックポイント阻害剤治療効果と患者背景及びCD68陽性細胞との関係.2021
Author(s)
猪又峰彦, 津田岳志, 鈴木健介, 松本正大, 水島伊佐美, 勢藤善大, 徳井宏太郎, 高千紘, 岡澤成祐, 神原健太, 今西信悟, 三輪敏郎, 林龍二, 松井祥子, 正木康晶, 谷口浩和, 戸邉一之
Organizer
第62会肺癌学会学術集会
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