2020 Fiscal Year Annual Research Report
説明可能AIによるトモシンセシス画像診断支援システムの開発
Project/Area Number |
20H03738
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
植田 琢也 東北大学, 医学系研究科, 教授 (40361448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐谷 望 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (50816444)
原田 達也 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (60345113)
森 菜緒子 東北大学, 大学病院, 助教 (90535064)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 人工知能 / 乳癌 / 画像診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、500症例の乳癌症例を用いて、正常・良性石灰化・良性腫瘍・悪性腫瘍を分類するAIモデルの学習を行った。トモシンセシスの高い乳癌描出能がAIモデルにより良好に反映され、高い精度(感度98%、特異度95%)での診断が可能となった。今後は、さらに症例数を追加し、合計1500例での学習を行う。また上記の正常・良性石灰化・良性腫瘍・悪性腫瘍を分類するAIモデルに加えて、今後は、読影医師が行っている乳腺左右を比較することによる診断精度の向上を目指す。 また2021年度に実施する左右差を加味したAIモデル・転移学習を用いたAIモデル・有病率の差によるトモシンセシスの良悪性診断・画像より乳癌バイオマーカーを予測するAIモデルの解析を行うために学習データの前処理を行いAI学習のためのデータセットを構築した。 学習に必要なデータ選定フローの確立・腫瘍データの取り出し・AI学習に必要な画像の事前処理を行うとともに、今後研究で必要となるモデルについて周辺技術のサーベイと我々の研究への応用の方向性について議論を深めた。 今後、施設間の精度によるドメインシフトの問題について研究をおこなうため、新たに東北大学病院乳腺外科との研究についての協議を開始した。臨床データの選定と今後の研究の方向性について議論し、倫理委員会での承認を得ることで、今後の臨床医療研究についての準備を行い、2021年度の研究へとつなげている。 成果を学会で報告するとともに、論文化を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AI学習に用いる臨床画像データの順調な取得が行われており、また学習も高い精度で実施できている。今後のさらなる展開が十分行える状況にある。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の内容について研究を展開してゆく。 1-1 左右差を加味したAIモデル:人間の診断医では、左右の乳房を比較しながら診断を下しているが、現在のAIではそのような左右差は数理モデル内に反映されていない。本年度このような左右差を考慮したAIモデルの研究を行う。 1-2 転移学習を用いたAIモデル:研究の題材であるトモシンセシスは、マンモグラフィーの多断層画像であり、より詳細な描出能をもつ上位互換の医療技術である。このトモシンセシスによる乳癌のAI学習を、汎用性の高いマンモグラフィへと転移学習へと応用することによって、精密検査に用いられるトモシンセシスの高い診断精度を、検診で主に使用されるマンモグラフィの精度向上へと転用できる可能性がある。 1-3 有病率の差によるトモシンセシスの良悪性診断:AIでは、学習を行うデータ内での有病率の差によって診断精度に差が生じることが明らかになっている。我々は、学習させるデータの有病率を変化させて、臨床において精度が保つことが出来るAIモデルの検討を行う 1-4 画像より乳癌バイオマーカーを予測するAIモデル:乳癌のHer2やMIB1などのバイオマーカーは、この差によって治療法や予後が異なってくることが知られている。また乳癌の形態とバイオマーカーには相関があることが従来の医療研究でも示唆されている。トモシンセシスの画像よりバイオマーカーの予測を行うAIモデルを開発する。
|
Research Products
(2 results)