2020 Fiscal Year Annual Research Report
大動脈瘤の退縮治癒を促進する力学刺激-免疫連関制御療法の創成
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20H03766
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉村 耕一 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授(特命) (00322248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 剛佑 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60650322)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大動脈瘤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、大動脈瘤における慢性炎症の分子病態を解明し、新たな治療法の開発を目指すものである。研究代表者は、免疫細胞マクロファージへの過度な力学刺激が大動脈瘤組織の炎症を持続する鍵であると着想した。本研究では、過度な力学刺激がマクロファージのシグナル分子MAPK9活性化を介して、炎症を遷延化すると同時に修復を抑制していることを実証する。本研究は、大動脈瘤のみならず慢性炎症を基盤とする様々な難治疾患の克服に貢献できる可能性がある。本研究の目的は、異常な力学刺激と免疫細胞マクロファージとの連関が大動脈瘤組織における慢性炎症と進行性組織破壊及び修復不全を推進する鍵であることを実証することである。そのため、令和2年度に、以下の計画を実施した。ヒト病変組織の解析(計画Ⅰ-1)では、ヒト大動脈瘤病変組織においてMAPK9活性化のマクロファージが集積することを明らかにした。培養細胞(計画Ⅰ-2)では、培養マクロファージにおいて過度な伸展刺激に応答して炎症・破壊系分子を亢進することを明らかにした。さらに、疾患モデルマウス(計画Ⅰ-3)では、マウス大動脈瘤モデルを用いて、過度な力学刺激により病変組織においてMAPK9活性化とマクロファージ集積がみられることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度に予定した計画Ⅰ-1:ヒト病変組織における疾患進行度とマクロファージ内MAPK9活性の解析、計画Ⅰ-2:培養マウス細胞系における力学刺激負荷とMAPK9活性への介入と、計画Ⅰ-3:疾患モデルマウス系における力学刺激負荷とMAPK9活性への介入の一部は予定どおりに実施でき、ほぼ期待どおりの結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、計画Ⅰ-3:疾患モデルマウス系における力学刺激負荷とMAPK9活性への介入を令和2年度から継続して実施する。さらに、計画Ⅱ-1:マクロファージ選択的MAPK9特異的阻害製剤の作製と評価を開始する。現在のところ、計画の変更を要するような問題点はない。
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Research Products
(1 results)