2021 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Pathophysiology in ICU acquired weakness using proteomics
Project/Area Number |
20H03780
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤野 裕士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50252672)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 由美子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, プロジェクトリーダー (50231163)
吉田 健史 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (50725520)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 筋力低下 / 急性呼吸不全 / プロテオミクス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
長期人工呼吸患者での標本採取を継続した。COVID-19による呼吸不全患者を多数受け入れたためCOVID-19患者における体位・PEEP(5cmH2O/15cmH2O)による換気分布への影響を電気インピーダンス断層撮影法(EIT)を用いて検討した。43人の患者で検討を行い、EITによるrecruitment-to-inflation ratioを分析ではhigh recruiterとlow recruiterの2群に分かれることが判明した。High recruiterでは腹臥位と高PEEPの組み合わせが最良の換気分布を示したが、low recruiterでは仰臥位と低PEEPの組み合わせが最良の酸素化を示した。COVID-19患者では高PEEPを付加すると予後が悪化する患者群が存在することが示唆されていたが、画像的に証明し人工呼吸器の情報で判別することができることが分かった。本検討結果を論文にまとめ投稿した。 動物モデルでPEEPと体位を変えて、CTスキャンを用いて肺容量を計測した結果、肺容量と横隔膜発生筋力が逆相関することが判明した。これは以前、自発呼吸温存動物モデルと患者でPEEPを上げることにより自発呼吸努力の減少と肺傷害進展が抑制できるとした当教室からの論文(Koyama Y, et al. Am J Respir Crit Care Med 2018; 197: 1285-96)とも矛盾しない上に高PEEPにより長期人工呼吸のリスクを軽減できる可能性も示唆している。本検討結果は論文にまとめ投稿予定である。 動物モデルによる人工呼吸との不同調と横隔膜筋疲労の検討は継続中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者における標本採取は引き続き継続している。標本数の更なる増加を目指している。研究費の繰り越し申請を行い購入したEIT装置によるCOVID-19呼吸不全患者での解析によりこれまで臨床的に判別困難であった2つの異なる換気分布を示す患者群を判別し、適切な人工呼吸管理を行う画期的な指針をまとめることができた。2022年4月現在でも少なからぬ数のCOVID-19呼吸不全患者が発生しており重症COVID患者診療に大きな貢献を行うことができた。 不同調と肺容量という呼吸筋力と疲労に影響する要因の動物モデルによる検討は順調に進んでいる。肺容量は仮説通りの結果となり論文にまとめる予定である。不同調に関しても現在結果の解析中であり2022年度には結果を公表できるものと予想している。
|
Strategy for Future Research Activity |
患者のプロテオミクス解析を実施できる標本数を目指している。動物モデルでの標本も集積中であり今後の解析結果の対照により病態解明につながることを期待している。 研究費で購入したEIT断層撮影装置により人工呼吸様式の最適化につながる情報を得られることが判明した。本装置を利用して今後もARDS患者の換気動態を分析していく予定である。
|