2020 Fiscal Year Annual Research Report
A therapeutic strategy of post-intensive care syndrome focused on its mechanism and inflammation regulation in brain.
Project/Area Number |
20H03781
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 茂亮 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (30582209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 理器 神戸大学, 医学研究科, 教授 (00378754)
西田 修 藤田医科大学, 医学部, 教授 (20208185)
曽良 一郎 神戸大学, 医学研究科, 教授 (40322713)
黒田 泰弘 香川大学, 医学部, 教授 (80234615)
小谷 穣治 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (80360270)
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
酒井 良忠 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (90397802)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 集中治療後症候群 / 敗血症 |
Outline of Annual Research Achievements |
敗血症患者や重症患者の長期予後は未だ不良である。その原因として、ICU退室後や退院後に運動機能,認知機能,精神障害が生じる集中治療後症候群(PICS)や、敗血症後のびまん性脳機能障害である敗血症性脳症(SAE)が知られているものの、未だ病態解明や治療ターゲットの同定に至っていない。本研究では、①重症患者の炎症・免疫機能とPICS発症の関係を明らかにし、②マウスPICSモデルでのSAE発症メカニズムを解明し、③感染・脳内炎症制御の観点からPICSの新規治療法を探索する。本研究は現代の集中治療医学で解決すべき喫緊の課題であるPICSおよびSAEの機序解明と、それに基づいた新規治療法まで応用しうる画期的かつ基盤的な研究である。 研究1:ICU敗血症患者の免疫機能解析とPICSの評価 インフォームドコンセントを得られた神戸大学救命救急センターICUに入院となった敗血症患者の末梢血より単離したT細胞のサブタイプならびに炎症系サイトカインをフローサイトメーターにて解析。さらに意識障害を有する患者では髄液より同様の検討を行う。またICU入院中・ICU退室時・退院後の身体機能・せん妄・認知機能・精神機能を評価しPICSの程度を評価する。中枢神経障害の程度は脳波・画像検査を適宜実施し、ICUでの免疫機能とPICSパラメーターの相関を比較検討する。 研究2:マウスPICSモデルの作成とその評価 C57B6マウス(6-8週雄)に便懸濁(Cecal Slurry:CS)を腹腔内に投与し作成した敗血症モデルマウスに対して輸液・人工呼吸管理・抗菌薬投与を実施しヒトの集中治療を模した治療を施行し、身体機能・認知機能・精神機能に関わる行動試験を行って各PICSの主要な症状を診断し、モデルを構築する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究1の臨床研究は2年間の追跡調査が終了し、現在データ解析中である。研究2のマウスPICSモデル作成は昨年論文化し、publishされている (Fujinami, Inoue, et al. J of Clin. Med, 2021)。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスPICSモデルにおける脳内炎症細胞のサブタイプの経時的解析を現在進めている。
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Research Products
(4 results)