2021 Fiscal Year Annual Research Report
Multifaceted pathophysiologic evaluation of sepsis targeting the intestinal microflora and development of novel therapeutic strategies
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20H03782
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
志馬 伸朗 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (00260795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 由美子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, プロジェクトリーダー (50231163)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 敗血症 / 腸内細菌 / 臓器不全 / TSPO |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年に引き続き、ICUに入室した敗血症患者を対象として,臨床情報(敗血症の原因疾患、既往疾患,重症度スコア、使用薬剤,血液マーカー,治療介入や生存期間など)の収集を行った。また、敗血症患者における腸管の細菌叢の変化と、①末梢血単核細胞の免疫に関与する遺伝子解析、②腸管透過性のマーカーなど血中の代謝物、③患者の臨床情報、との関連を明らかにするために、糞便や血液検体の採取を行い、保管した。採取した血清検体を用いてELISA法で腸管透過性のマーカーの一つである血清zonulin値を測定した。現在、収集した様々な臨床情報と血清zonulin値の相関解析を行っている。また便検体を用いたマイクロバイオーム解析により、敗血症患者の腸内細菌叢では、Escherichia spp.、Enterococcus spp.等の増加を確認した。 動物モデルを用いた実験では、敗血症のマウスモデルとして盲腸結紮穿刺モデルを確立した。また敗血症の長期的な影響に着目し、慢性期における行動異常を調べるために、オープンフィールド試験、高架式十字迷路試験、尾懸垂試験、前肢握力試験などの複数の行動実験手法と解析方法を確立した。盲腸結紮穿刺から14日以降の慢性期において、CLP施行群ではオープンフィールド試験で、行動量がコントロール(Sham手術群)に比べ有意に低下しており、前肢筋力試験でも有意な筋力低下が認められた。さらに敗血症患者のスワブ付着便から調製した便懸濁液を無菌マウスへ移植することにより、細菌叢の定着が確認できた。今後、目的の菌もしくは目的の菌を含む糞便を移植し、マウス敗血症モデルでの表現型を確認することを検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19患者の爆発的増大に伴い、診療患者の変化、面会制限、研究者診療エフォートの増大、テレワーク推進により、臨床患者検体の採取が困難となってい る。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは動物実験モデルを主体として、敗血症モデルの確立と臓器障害に標的をおいた研究に主眼を置いてすすめる。消化管以外に中枢神経系も含めた多臓器障害に焦点を置いた実験系を確立する。
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