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2022 Fiscal Year Annual Research Report

中枢神経系悪性リンパ腫の腫瘍内多様性と微小環境解析による病態発生の解明と治療開発

Research Project

Project/Area Number 20H03795
Research InstitutionKyorin University

Principal Investigator

永根 基雄  杏林大学, 医学部, 教授 (60327468)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 立石 健祐  横浜市立大学, 附属病院, 助教 (00512055)
市村 幸一  順天堂大学, 医学部, 特任教授 (40231146)
富山 新太  防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 脳神経外科, 講師 (40385810)
片岡 圭亮  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (90631383)
Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords中枢神経系悪性リンパ腫 / シングルセル解析 / 腫瘍内多様性 / 微小環境解析 / 標準治療 / 予測因子
Outline of Annual Research Achievements

我々はこれまでに中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)の包括的遺伝子解析を施行し、全身性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)と異なる特徴的な遺伝子異常パターンを報告した。しかし、PCNSLと全身性DLBCLの病態の類似性および相違性については未だに明らかではない点が多い。本研究では、PCNSLにおける腫瘍細胞および免疫微小環境の多様性を解明することを目指す。 2022年度も、追加のPCNSL臨床検体を収集し、全症例において腫瘍組織からのDNA/RNA、末梢血からのDNA抽出を行った。十分量の細胞数が得られた検体について、100種類を超える表面マーカー解析、mRNAトランスクリプトーム解析、TCR/BCRレパトア解析を同一の単一細胞から取得可能な単一細胞マルチオミクス解析技術を用いたライブラリーを作成し、次世代シーケンサーによるデータ取得を行った。これらのデータ解析により、これまでのmRNAトランスクリプトームだけでは明らかにすることが困難なPCNSLに特徴的な腫瘍細胞や微小環境の遺伝子発現プロファイルが見出されており、これらは新規の治療対象となる可能性を有している。
また、均一の標準治療を行った患者群における治療奏効の違いを予測する腫瘍固有な遺伝子変異を含めた因子解析も計画しているが、患者コホート情報の収集を引き続き行っている。生検標本を用いたリンパ腫関連遺伝子のパネル検査を行うことで、奏効や生存期間等の治療アウトカムと関連する予測因子の抽出がされれば、治療選択に寄与する可能性が期待される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2022年度の達成目標は、PCNSL検体からの単一細胞マルチオミクス解析データの取得および解析であったが、この目標は十分に達成された。検体収集についても、順調に進んでいる。収集した全症例において、腫瘍組織DNA/RNAと末梢血DNAの抽出が完了しており、大部分は単一細胞解析を行った。PCNSLに特徴的な発見も見出されており、順調に進展していると考える。
標準治療を受けた患者コホートでの治療アウトカムの予測因子解析に関しても、臨床情報収集と生検標本および解析試薬等の準備が進んでおり、次年度での諸解析を待つところに至っている。

Strategy for Future Research Activity

検体収集を引き続き継続する。単一細胞データから得られたPCNSLの腫瘍細胞および微小環境の特徴に関して、DLBCLとの共通性や特異性に関する解析を進める。さらに、腫瘍組織および末梢血から抽出したDNAを用いた網羅的遺伝子変異解析を進めて、単一細胞データとの統合解析を行うことによって、遺伝子発現や微小環境構造との関連についても明らかにする。
標準治療を受けた患者コホートでの治療アウトカム予測因子解析においては、生検標本のリンパ腫に特化した遺伝子パネル解析を実施する。得られたデータと臨床情報の関連を解析することで、治療反応性や予後を規定する因子の抽出が見込まれる。

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Published: 2023-12-25  

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