2021 Fiscal Year Annual Research Report
変形性膝関節症患者に対する脂肪組織由来再生細胞移植の有効性・機序解明に関する研究
Project/Area Number |
20H03804
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
黒田 良祐 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80379362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 雄彦 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (40467650)
松本 知之 神戸大学, 医学研究科, 講師 (50546588)
岩畔 英樹 獨協医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60366002)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脂肪幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、対外培養を要する脂肪組織由来間葉系幹細胞(Adipocyte Derived Stem Cells; ADSCs)に比較して培養を要さず簡便に分離可能な脂肪組織由来再生細胞(Adipocyte Derived Regenerative Cells; ADRCs, Stromal Vascular Fraction; SVF)の変形性膝関節症(膝OA)治療有効性の機序を考察することを目的とし、①ヒトADRCsが膝OA軟骨に及ぼす影響についてin vitro共培養において分子生物学的に詳細に検討し、②現在遂行中の膝OA患者に対するADRC治療の有効性評価を臨床スコア・MRIにて行い、さらに治療前後における関節液のサイトカインを解析することによりADRCsの効果を検討する、こととしている。 2020年度は、①に関しては、ヒトADSCsあるいはADRCsとヒト軟骨細胞の単層共培養およびpellet共培養のin vitro実験系を行い、ADSRsに含まれる同数のADSCs(10%)との比較においてもADRCsの軟骨保護作用(Collagen2, TIMP-3)が高く、抗炎症作用(TGFβ)が高いことが確認された。これはADRCsに含まれるM2マクロファージが関与することが免疫染色にて確認された。2021年度はこの現象の再現性を再確認し、さらにこの過程にSmad2/3リン酸化が関与することをwestern blotting法にて確認した。②に関しては、現在も継続的に膝OA患者に対するADRCs移植治療は行われいるが、臨床スコア・MRIを用いた形成的評価に関する成果を誌面で報告した。継続して同時に関節液中のサイトカインの計測も行っており、さらなる機序の解明を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的①に関しては概ね仮説通りの結果が得られ、peer-reviewed journalへ投稿中である。②に関しても順調に症例のリクルートは行われており、一部の成果は誌面に公表済であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で研究は概ね順調に進行しており、このまま①においては再現性が確認され、peer-reviewed journalへ投稿中である。Journalが要求する追加実験をしながら、さらにこれらのヒト細胞を免疫不全ラットへの移植を追加実験として治療効果判定をpreliminary studyとして行っており、その効果判定を行う予定である。また②に関してもData収集後の解析を経て、現在2編目の誌面公表の準備段階である。
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Research Products
(3 results)