Outline of Annual Research Achievements |
我々は椎間板髄核細胞の培養においてラミニンコートディッシュを用いる事でTie2発現を維持し,結果2型コラーゲンの発現が高く,コロニー形成能に優れた機能性の高い細胞を得る事が可能であることを示した. そこで,このTie2陽性髄核前駆細胞の2型コラーゲン産生向上に関わる要因として新たに各種インテグリンレセプターの機能解析を行なった. 腰椎椎間板ヘルニア手術を受けた患者から同意取得し採取したヒト髄核組織(n=5,平均年齢:19.1±3.0歳)より細胞を単離し,6日間培養を実施した(20%FBS, 37℃, O2 5%, CO2 21%, 3×104個/6ml). 同条件で2種類のディッシュ(ノンコート[N群],ラミニンコート[L群])を使用し2群を比較検討した. Flow cytometryを用いて培養後の細胞表面マーカー(CD49a, CD49c, CD49f, Tie2, GD2, CD24), 細胞内マトリックス(2型コラーゲン[Col2],プロテオグリカン[PG])を評価した. また, Western Blottingを用いて細胞内に発現するCol2をタンパク質レベルで評価した. 細胞表面マーカーはTie2発現率(N群7.1±3.5%, L群18.5±7.4%, p<0.05)がL群で有意に高かった. CD49a発現率(N群33.2%, L群52.8%), CD49c発現率(N群55.2%, L群72.8%)はL群で高い傾向にあった. ,CD49f発現率は両群共に高発現を示した(N群89.2%, L群94.5%).Col2でもL群(N群13.2±7.8%, L群25.7±8.9%, p<0.05)で有意に高く, Western Blottingによるタンパク質レベルでのCol2発現においても, 同様にL群で高い発現レベルを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
椎間板細胞製品の開発において再生医療等製品に関する培養方法の改善, 最終製品の機能向上, 治験への道筋を示す研究を多く成果としてアウトプットしている。 本年度の結果で髄核細胞の培養時にラミニンコートディッシュを用いる事で髄核細胞のインテグリンα6鎖を介し, Col2を含む細胞内のマトリックスが高発現した幼若性の高い細胞を増幅することが可能となり, 高機能な髄核細胞を再生医療等製品に用いる事が可能となる.
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