2020 Fiscal Year Annual Research Report
CRISPRスクリーニングによる緑内障感受性遺伝子の同定
Project/Area Number |
20H03838
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中澤 徹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30361075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 航 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20646442)
佐藤 孝太 東北大学, 医学系研究科, 助教 (50732327)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 緑内障 |
Outline of Annual Research Achievements |
緑内障は本邦の中途失明原因第一位の眼疾患である。病態は多因子疾患であるにも関わらず、眼圧下降治療しか存在せず、眼圧下降治療後も視野欠損が進行する症例が40%認め、アンメットメデ ィカルニーズが存在する。そのため、緑内障の眼圧以外の病態を明らかにし、病態特異的治療の開発が急務である。緑内障には遺伝的要因があり、ゲノムワイド関連解析(GWAS)により複数の緑内障関連SNPが同定されている。しかし、病態との因果関係について十分に検討されていない。そのため本研究では、神経保護治療のターゲットとなる網膜神経節細胞の脆弱性に寄与する遺伝子変異とそのメカニズムを同定することを目的とした。本年度は、臨床パラメータとSNP情報を関連解析するための検査データセットを構築した。また、GWASにより同定されたゲノムワイド有意水準を超えるSNPならびにその近傍にある遺伝子について調査し、CRISPRスクリーニングの対象とする遺伝子について精査した。加えて、近年報告された国際コンソーシアムによる緑内障GWASから計算されたpolygenic risk scoreの利用を念頭においた解析準備を進めた。基礎研究では、緑内障関連遺伝子の表現型を評価するための細胞株を選定し、細胞培養条件や緑内障病態を反映するストレス負荷条件(酸化ストレス、興奮毒性、炎症、低栄養、低酸素)について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
先行研究である国際コンソーシアムのデータ参照のため、CRISPRスクリーニングのライブラリー作成に必要な遺伝子の選定に当初予定よりも時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
網膜神経節細胞の脆弱性を示すインデックスに対応するSNPやpolygenic risk scoreの検討、ならびにゲノム編集による当該遺伝子の機能解析をおこなう。
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