2022 Fiscal Year Annual Research Report
Mitochondrial damage mediated by pressure gradient in glaucomatous optic neuropathy.
Project/Area Number |
20H03840
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
稲谷 大 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40335245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 佳弘 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (00283193)
有村 尚悟 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (20835029)
辻 隆宏 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (40787389)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 緑内障 |
Outline of Annual Research Achievements |
失明の主な原因である緑内障性視神経症は、網膜神経節細胞の消失とその軸索の変性が特徴である。網膜神経節細胞やその軸索の機能維持には、ミトコンドリアが深く関わっているため、ミトコンドリアを標的とした診断薬や治療法の開発が試みられている。最近の我々の研究において、ミトコンドリアが無髄軸索にATP勾配に起因して一様に分布していることがわかった。そこで、網膜神経節細胞にのみミトコンドリアを標的とした黄色蛍光タンパク質を発現させたトランスジェニックマウスを用いて、in vitroのフラットマウント網膜切片とin vivoでのニデック社のF10共焦点眼底観察システムにより、緑内障モデルにおけるミトコンドリア分布の変化を評価した。その結果、緑内障モデルにおける網膜神経節細胞の無髄軸索におけるミトコンドリア分布は、密度は増加するものの、均一であることが確認された。さらに、in vitroでの解析により、緑内障ではミトコンドリアの大きさが減少することがわかった。これらの結果は、緑内障を発症すると、ミトコンドリアの均一な分布を崩すことなくミトコンドリア分裂を誘導し、軸索の変性やアポトーシスを防いでいる可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
軸索ミトコンドリアのin vivo可視化システムは、動物実験やヒトにおける緑内障視神経症の進行の検出に応用できる可能性があることを示すことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
正常眼圧緑内障モデルでの観察を推進していく。
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