2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of treatment for cutaneous ulcers via de novo epithelialization
Project/Area Number |
20H03847
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栗田 昌和 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20424111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 幸司 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40612601)
岡崎 睦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50311618)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 再プログラム化 / 創傷治癒 / アデノ随伴ウイルスベクター / 遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では申請者が開発を進めてきた「皮膚潰瘍に存在する間葉系細胞から上皮細胞への細胞系譜の転換を介して、潰瘍面から直接的に上皮化、創傷の閉鎖をはかる皮膚潰瘍治療法」の臨床応用へ向けた研究開発を進めている。 特に皮膚皮下組織の間葉系細胞に特化した指向性を有するアデノ随伴ウイルスベクター(AAV)を開発する目的で、AAVの一部をランダム化したペプチドディスプレイウイルスライブラリを作成し、マウス皮膚潰瘍面を用いた定方向進化法をかけることによって新しいカプシドを開発した。Deep learningによる病理組織解析手法を導入することによって動物間のばらつき、実験手技によるばらつきの影響を最低限に抑えながら、定量的に比較検討を行う方法について最適化を進め、新規開発したAAVカプシドの既存カプシドに対する優位性を確認した。また、類似の原理に基づいて、誘導された上皮に対して遺伝子導入を行うための新規AAVカプシド候補セットを開発した。 一方、複数の転写因子を単一の細胞に対して同時に遺伝子導入するためのポリシストロニックベクターの開発を目的として、転写因子セットの全配列順に連結したウイルスベクターコンストラクトを作成し、ヒト・マウス細胞を用いてin vitro細胞系譜転換実験を行い、転換効率の観点から細胞系譜転換に最適な配列順が明らかとなった。当該ポリシストロニック配列を搭載することが可能な大容量ウイルスベクター作成を目的としたバックボーンプラスミドコンストラクト作成を進めた。 そのほか、皮膚潰瘍面への遺伝子治療臨床応用に際しての障壁として危惧されるOff target効果を最低限とするための新しい化学物質を用いたコントロールリリース法、長期的に実験・観察が可能な新規皮膚潰瘍動物モデルの開発と解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた研究開発項目のうち、皮膚皮下組織の間葉系細胞に特化した指向性を有するAAVの開発、複数のリプログラミング因子を同時に遺伝子導入するためのポリシストロニックベクター配列の最適化、については本質的な進展目標を達しつつあるほか、本研究の最終目標である皮膚潰瘍面への革新的な治療的介入法達成に必要な要素技術を確立しつつあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
大容量AAVカプシドの開発について、当初予定通りの方針で実現可能性を見極めながら検討を進め、これまでに明らかとなった最適化配列で遺伝子導入実験を進めていくほか、開発を進めてきた要素技術を組み合わせて、臨床応用にむけた一連の技術開発を進める。
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Research Products
(8 results)