2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H03852
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
城戸 瑞穂 佐賀大学, 医学部, 教授 (60253457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 優 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (50823308)
本田 裕子 佐賀大学, 医学部, 教務職員 (60295053)
門脇 知子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (70336080)
吉本 怜子 佐賀大学, 医学部, 助教 (70878181)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イオンチャネル / 歯肉 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病の発症の場である歯肉付着上皮に高発現するイオンチャネルtransient receptor potential vanilloid 4 (TRPV4)の発現を個体レベルで観察を行った。TRPV4は歯肉付着上皮に強く発現し、エナメル質に近い部位でより発現が顕著で、歯肉粘膜固有層側はそれに比べると弱い発現を示していた。一方、歯肉溝上皮や口腔上皮でもTRPV4発現は認められたが、歯肉付着上皮とは異なり、基底細胞層の細胞膜近傍に強く認められた。よってTRPV4は、歯肉の部位により異なる位置的局在を示すことが判った。その機能的意義を知る上で、細胞レベルでの詳細な観察を行った。本年度は、超解像顕微鏡による観察像の三次元的解像度をより精密にする上で解析データの計算の精度および速度の向上とより微細レベルでの分別を狙い、新たに開発された解析ソフトウェアによる追加解析を行うこととした。イオンチャネルは培養細胞の培養の状態により、多様な発現局在を示している。その中で、単独の細胞と集団移動する細胞で、異なる細胞内の局在を示していた。また、細胞骨格関連分子との密接な位置的関係が明らかと成った。さらに、TRPV4の薬理学的な刺激により、野生型C57BL/6 マウスおよびTRPV4遺伝子欠失マウスの差として組織レベルで認められた違いが、細胞レベルで再現される条件を見いだすことができた。細胞レベルと個体レベルとの比較により、いずれも矛盾のない発現局在を示すしていたことから、TRPV4が細胞骨格を調節することで、歯肉付着上皮の移動や増殖などを制御する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
幸いなことに仮説に概ねあう結果が得られたことから、矛盾する課題に直面していない。
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Strategy for Future Research Activity |
歯エナメル質と歯肉組織とを模倣した異なる基質硬さ条件での解析を行う。個体レベルとを丁寧に比較しながら解析を進める予定である。
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