2023 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞前駆細胞から始まる全く新しい破骨細胞誘導機構と癌による骨吸収
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20H03857
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 通 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00211029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栢森 高 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (10569841) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 破骨細胞 / 骨破壊 / IL-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
そのままでは破骨細胞に分化できないが、破骨細胞への分化が決定づけられている細胞である破骨細胞前駆細胞は、骨髄マクロファージに24時間破骨細胞誘導因子RANKL刺激を与えることで誘導きる。私達は破骨細胞前駆細胞に口腔扁平上皮癌細胞の培養上清を作用させることで、強力に破骨細胞が誘導されることを発見し、その原因分子の特定に努力してきた。その過程で、この破骨細胞誘導はRANKLによる従来の破骨細胞誘導と異なり、デノスマブ等の阻害因子が無効である一方、カンナビノイドの一種であるカンナビジオールが効果的に阻害することを見出した。また、この破骨細胞誘導では破骨細胞のマスター転写因子NFATc1の発現上昇を伴わないことも見出した。さらに、口腔扁平上皮癌で高発現するIL-1が口腔扁平上皮癌による破骨細胞誘導とRANKLによる従来の破骨細胞誘導それぞれを刺激することで扁平上皮癌の浸潤による骨破壊が起こることを示した。本年度は、口腔扁平上皮癌細胞で誘導された破骨細胞とRANKLで誘導された破骨細胞のRNAシーケンスを行い、前者で高く、後者で低い発現の転写因子を検索し、15種類の転写因子を抽出した。この転写因子に対するsiRNAを作成し、エクソソームに取り込ませて作用させ、破骨細胞誘導に対する影響を確認しながら、口腔扁平上皮癌による破骨細胞に必須の転写因子の特定を進めた。最終年度までに転写因子を特定するに至らなかったが、その過程で、破骨細胞誘導能をもたない口腔扁平上皮癌細胞NEM-K由来のエクソソームに、口腔扁平上皮癌細胞による破骨細胞誘導を特異的に阻害する作用があることを明らかにした。今後siRNAの実験で転写因子を特定し、かつ、NEM-K細胞のエクソソーム中のmiRNAを特定することで、私達が発見した口腔扁平上皮癌細胞による破骨細胞誘導のメカニズムの全容が明らかになると期待される。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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