2021 Fiscal Year Annual Research Report
Periodontopathic bacterial outer membrane vesicles: Biogenesis and relation to development of chronic inflammation and carcinogenesis
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20H03861
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
中尾 龍馬 国立感染症研究所, 細菌第一部, 主任研究官 (10370959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾花 望 筑波大学, 医学医療系, 助教 (00722688)
川崎 忠寛 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 主任研究員 (10372533)
泉福 英信 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (20250186)
平山 悟 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70778555)
佐々木 祐生 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 研究員 (80808668)
上野 尚雄 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (90450832)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外膜小胞 / 歯周病原細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.歯周病原細菌 Porphyromonas gingivalis (以下Pg)の外膜小胞 (以下OMV) の産生様式についての新たな知見を得た。異なる条件で産生されるPg-OMVを、高速AFM、及びFE-SEM等の高分解能顕微鏡を用いた形態構造解析、分子レベルでの組成解析に供試し、比較検討した。その結果、Pg-OMVの産生様式として、通常の生育過程で産生される様式と、ある種の化学物質などがPg菌体に作用して産生誘導される様式の2通りが存在することが明らかとなった。前者と後者のOMVの組成やその表面の物理化学的特性は異なっており、特に後者のOMV産生は、Pgの生育に必須の栄養取得の阻害や、その主たる病原因子であるジンジパイン活性阻害の両方に関連することが明らかとなった。 2. 大腸菌のOMV産生のライブイメージング技術へ応用が期待されるグラフェンサンドイッチ法に関する基盤的知見を得た。 3. レンサ球菌や大腸菌の細菌膜小胞の産生メカニズムの一端を明らかした。 4. Pg-OMVの生体内での遠隔臓器への移行・蓄積、その病態形成への関与を BALB/c、C57/BL6、膵上皮内腫瘍性病変発症、膵癌発症 の4系統のモデルマウスを用いて検討している。 5. 臨床研究については、Pg及びPg-OMVの慢性炎症や癌化へメカニズムへ関与する可能性を推察し、実施施設の倫理委員会の承認を得て、口腔癌、膵癌を有する患者等の様々な被験者から臨床検体を回収、解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19に伴い研究資材物流が遮断された影響で、基礎研究の一部と臨床研究の進捗は、やや遅滞気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
4. 各種マウスモデルの交配繁殖が軌道に乗り、いくつかの動物実験が進行中である。引き続き、Pg-OMVの生体内での遠隔臓器への移行・蓄積、慢性炎症や癌化への関与を中心に、異なるモデル動物を用いて検討する。 5. 臨床研究については、引き続き、膵がんを含む様々な患者の臨床検体を回収、解析を進め、検体からの口腔細菌叢メタゲノム、OMV微粒子解析、Pg菌の単離・同定を行う。
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Remarks |
2021年11月に「EMBOワークショップ: 細菌由来膜小胞」をハイブリッド形式で開催した。当ワークショップは、生命科学分野で脚光を浴びる細菌の膜小胞 (MVs) をテーマとした 世界初の国際学会であった。世界26カ国、171名の医・歯・薬・獣医・理・農・工学等、多分野MVs研究者が参集し、MVs研究の醸成に向けた高密度な国際的ネットワーキングを実現した。次は2023年の開催を予定している。
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Research Products
(20 results)