2021 Fiscal Year Annual Research Report
Maintenance and recovery of higher brain function by chewing behavior change in elderly
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20H03877
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小野 高裕 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30204241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 弓絵 明治大学, 理工学部, 専任教授 (10360207)
長谷川 陽子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60432457)
堀 一浩 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70379080)
山村 健介 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90272822)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高次脳機能 / 咀嚼 / 行動変容 / 超高齢社会 / 認知症 / ウエアラブルデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、新潟大学と明治大学において、健常若年成人を対象とした介入実験をおこなった。被験者39名を介入群と対照群の2つのグループに分け、介入群(n = 20)は、ウェアラブルデバイス(Bitescan、シャープ株式会社)を1か月間使用して、食事中の咀嚼回数を増やすように促した。対照群(n = 19)は、同じ期間、通常の食事スタイルを続けた。おにぎり(100g)摂取時の咀嚼回数を両群の介入期間前後で測定し、介入の効果を確認した。また、機能的近赤外分光法(fNIRS)を使用して、無味および無臭のガムベースの咀嚼中の皮質活動を測定し、咀嚼中の脳活動の変化を測定した。咀嚼ストローク数、咀嚼側、および咀嚼時間は、fNIRS測定全体で制御した。 実験の結果、食物摂取中の咀嚼回数は、介入群では有意に増加したが、対照群では増加しなかった。これは、提案された介入が効果的に食物をより噛む習慣を発達させたことを示唆している。介入群は、介入間のガムを噛む作業中に皮質活動にほとんど変化を示さなかったが、対照群は、介入後のほとんどの皮質領域で活動の低下を示した。双方向の反復測定ANOVAにより、両側補足運動野と背外側前頭前野の時間とグループの要因の間に有意な相互作用が認められた(DLPFC;未修正p <0.05)。 2回目のスキャンでの皮質活動の低下は、fNIRS測定下で繰り返される噛む作業の慣れ効果である可能性があり、介入群で保存された前頭前野活動は、参加者が訓練した行動である意図的な咀嚼に由来する可能性が示唆された。以上の結果は、Bitescanが食物摂取行動と咀嚼行動の皮質表現を変える可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度はコロナ禍のために計画進行が遅延したが、2年目にあたる今年度は、コロナ流行の波の合間を縫って集中的に介入実験を行うことができ、若年健常成人において、咀嚼習慣の変化が咀嚼時の皮質活動に影響を及ぼすことが示唆された。このことを踏まえて、最終年度の当たる次年度は、同様のプロトコールを用いて当初の目的である高齢者を対象とした介入実験を行うことが出来るため、研究の進捗は概ね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の結果を踏まえて、今年度は高齢者を対象に同様の介入実験を行う予定である。 被験者:65歳以上の右利きの健常有歯顎者40名(男性20名、女性20名)。咀嚼回数計bitescanを1ヶ月間使用する介入群と使用しない非介入群にランダムに割り付ける。大脳皮質活動の評価:前頭部および咀嚼運動野をターゲットに48チャンネルのプローブを左右半球対称に配置する。データ解析には一般線形モデルを採用し、咀嚼に関連した脳血流変化を高い時間分解能をもって評価する。咀嚼行動の記録:被験者の右耳に装着したbitescanにより、咀嚼回数、取り込み回数、一口当たりの咀嚼回数、摂取時間、咀嚼スピードなどをスマートフォン端末に記録保存する。 被験食品とタスク:咀嚼課題中(規格化されたガム咀嚼)の咀嚼行動と脳血流、認知課題中(Wechsler記憶検査改訂版)の脳血流を、f-NIRSとbitescanを用いて計測する。また標準的な咀嚼行動評価として、別途おにぎり100gを自由咀嚼して全量摂取しきるまでの咀嚼行動をモニタリングする。各課題の前後と間には5分間の安静時脳血流測定を置く。計測終了後に、脳血流の測定部位をデジタイザーで記録し、標準脳座標系上に再現することで解剖学的に推定する。統計学的分析:咀嚼課題/認知課題時の大脳皮質活動の介入前後の変化についてStatistical parametric mapping法を用いて統計的に明らかにする。またbitescanのデータより、咀嚼行動と両課題による脳血流変化との関連性、両課題間の脳血流変化の関連性について相関分析を行う。
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