2020 Fiscal Year Annual Research Report
The analysis of the nature of mesenchymal stem cell-derived exosome and its therapeutic effect
Project/Area Number |
20H03879
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究院, 教授 (50195872)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熱田 生 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (30423487)
鮎川 保則 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50304697)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 間葉系幹細胞 / エクソソーム / 治療効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
種々の幹細胞の中でも、特に未分化間葉細胞(Mesenchymal Stem Cell: MSC)は、組織や臓器の再生の出発点となるだけではなく、疾患の治癒能力を有することが明らかになりつつある。全身投与されたMSCは、炎症がある箇所へ集積し、局所で治癒能力を発揮して炎症その他の疾患状態を改善する。このとき、MSCはcell-cell contactによって損傷した細胞を修復する可能性、あるいはMSCから放出された何らかの物質が損傷した細胞を修復する可能性が考えられる。本研究計画では、後者の「MSCから放出された何らかの物質が損傷した細胞を修復する可能性」を念頭に企画した。 損傷した細胞の例として、本研究ではまず薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)マウスモデルを用いた。そしてMRONJマウス由来間葉系幹細胞(MSC)と健全マウス由来MSCのエクソソームを比較することによって、治癒能力の差が何の変化に起因するのかを検討することを目標とした。 MSCからエクソソーム特異的表面抗原CD9を指標にエクソソームを採取し、エクソソームのプロテオーム解析、マイクロアレイ法による内包mRNA, miRNAの解析を行うことを目標とした。まず健全マウスを用い、MSCの採取、培養、エクソソームの採取を行い、エクソソームを安定的に採取することができた。次にMRONJマウスを用いて同様にMSCの採取、培養、エクソソームの採取を行い、こちらもエクソソームを安定的に採取することができた。 今後は同様の実験を、老化促進マウス(SAMP6)を用いて行い、健全MSC由来エクソソームに含まれるタンパクやRNAとの質的・量的相違を比較し、MRONJや老齢がMSCの治癒能力に与える影響を検討する予定。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度予定していた老化促進マウスの実験と、プロテオーム解析まで到達しなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
MRONJに加えて今年度達成できなかった老化促進マウスを含め、健全MSC由来エクソソームに含まれるタンパクやRNAとの質的・量的相違を比較し、MRONJや老齢がMSCの治癒能力に与える影響を検討する実験を早期に行う。引き続き炎症性サイトカイン存在下MSC由来エクソソームに含まれるタンパクやRNAの質的・量的相違を比較し、MRONJや老齢がMSCの治癒能力に与える影響を検討する。
|