2021 Fiscal Year Annual Research Report
リポジトリとiPS細胞バンクを基盤とした睡眠時ブラキシズム発症機序の解明
Project/Area Number |
20H03882
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
馬場 一美 昭和大学, 歯学部, 教授 (80251536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 和土 順天堂大学, 大学院医学研究科, 教授 (60338184)
西山 暁 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (40359675)
井上 富雄 昭和大学, 歯学部, 教授 (70184760)
美島 健二 昭和大学, 歯学部, 教授 (50275343)
中村 史朗 昭和大学, 歯学部, 准教授 (60384187)
高場 雅之 昭和大学, 歯学部, 講師 (30384192)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究者らは先行研究において睡眠時ブラキシズムとセロトニン(5-HT)2A受容体遺伝子(HTR2A)の一塩基多型(SNP)との関連を報告し,細胞レベルでの睡眠時ブラキシズムの表現型の検証を目標として,睡眠時ブラキシズム患者および対照健康成人よりiPS細胞を樹立し,5-HT 2A受容体を発現する神経細胞の分化誘導に成功し,神経細胞の電気生理学的活動記録を行なって表現型検出へ向けた基盤を整備してきた.これらのリソースを利用して,被験者に対し簡易型睡眠ポリグラフ検査もしくは簡易型筋活動測定を実施した.さらに,睡眠時ブラキシズムレベルを測定可能な口腔内装置を開発し,簡易型睡眠ポリグラフ検査と併用させたデータを取得し,自動解析可能なアルゴリズムを検討した上でその妥当性の検証を行なった.その結果,Phasic型の睡眠時ブラキシズムエピソードに一致するイベントを比較的良好に検出できることが示された.これらのデータを集約して,疾患レジストリの構築に取り組んだ.加えて,既存研究にて樹立したiPS細胞から神経細胞を分化誘導し,ニューロンを長期的に培養した際の受動的・能動的膜特性について,HTR2AにおけるSNPのリスクアレルを有する睡眠時ブラキシズム患者特異的iPS細胞から分化誘導したニューロンと,リスクアレルを有しない対照健康成人から樹立したiPS細胞由来のニューロンで電気生理学的特性についての比較検討を行なった.それに先立ち,培養期間に伴う膜特性の変化について評価したところ,分化誘導したニューロンは生体内の神経細胞における極性の形成過程と同様の傾向を示し,培養期間に伴う機能的な成熟が示された.比較の結果,疾患特異的iPS細胞由来神経細胞では,活動電位の基電流が有意に低値を示し,さらに,活動電位の50%持続時間が有意に高値を示すことが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者に対して計測を実施し,睡眠時ブラキシズムデータを順次取得している.並行して,iPS細胞由来神経細胞を用いた検討を実施した.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き睡眠時ブラキシズムデータを収集し,リポジトリ構築を目指す.
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Research Products
(8 results)