2022 Fiscal Year Annual Research Report
Cdk6による骨格幹細胞G0/G1期制御機構の解明と骨再生医療に向けた基礎的検討
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20H03884
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小笠原 徹 東京大学, 保健・健康推進本部, 講師 (20359623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 良之 自治医科大学, 医学部, 教授 (70251296)
筑田 博隆 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30345219)
阿部 雅修 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10392333)
緒方 直史 帝京大学, 医学部, 教授 (10361495)
茂呂 徹 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (20302698)
矢野 文子 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (80529040)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨格幹細胞 / 細胞周期 / G0/G1期 / 骨軟骨代謝学 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨代謝メカニズムの解明は口腔外科学分野において非常に重要な課題である。本研究では、研究代表者のこれまでの研究成果の発展形として、細胞周期のG0/G1期に着目して、骨格に存在する組織幹細胞(骨格幹細胞)の制御機構を明らかとすることによって、骨代謝制御メカニズムのさらなる理解を深めるとともに、その結果を骨再生医療分野における臨床応用につなげるための基礎的検討を行うことを目的として企画された。 まず、前年度までの実験で非常に難航していた「Cdk4転写因子群のゲノム結合部位同定のための条件検討」を引き続き実施し、抗Cdk4抗体を用いた免疫沈降を行ったが、ChIP-seqを実施するために必要な量のCdk4複合体を得ることに成功しなかったため、培養条件、DNAクロスリンク時間、クロマチン断片化条件などのプロトコール修正を行い、信頼できるChIP-seqを可能とする条件検討を継続した。また、間葉系幹細胞と骨格幹細胞に近い性質を残す未分化骨芽細胞を用いて、①血清を除去することによって細胞を強制的にG0期に移行させた時にCdk6の発現変動パターンと同様の発現変動パターンを示す遺伝子、または全く反対の発現変動パターンを示す遺伝子、ならびに、②血清を添加することによってG0期の細胞をG1期へ導入させた際にCdk6の発現変動パターンと同様の発現変動パターンを示す遺伝子、または全く反対の発現変動パターンを示す遺伝子、を様々な培養条件で網羅的に検討した。次いで、骨格幹細胞との関連が指摘されている成長板において、Cdk6の発現パターンを詳しく検討した。また、大規模網羅的解析によって、Cdk6結合転写因子群が制御する骨代謝関連遺伝子に加えて、Cdk6結合転写因子群が制御する間葉系幹細胞分化多能性維持に重要だと想定される遺伝子候補の絞り込みを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ChIP-seqによる複合体探索過程で、当初の想定に反し、免疫沈降に用いた抗Cdk4抗体の性能が悪いことが判明し、ChIPシーケンス可能な量のタンパク質を得るための条件検討に予想以上の時間を要したため、研究の進行がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
実験条件の再考が必要な実験計画があったが、それを基に鋭意研究を進める予定である
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Research Products
(4 results)