2020 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期の間欠的低酸素がもたらすエピゲノム変化の分子機構解明と医療応用の基盤構築
Project/Area Number |
20H03895
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30221857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下澤 達雄 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (90231365)
宮坂 尚幸 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (70313252)
宮崎 泰成 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (30396999)
滝 敦子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (20614481) [Withdrawn]
細道 純 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (00420258)
財津 崇 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (80611508)
森丘 千夏子 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (50796191)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 閉塞性睡眠時無呼吸症 / 間欠的低酸素状態 / 妊娠女性 / 胎児 / 出生児 / 動物モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
妊婦の閉塞性睡眠時無呼吸症(Obstructive Sleep Apnea; OSA)は、間欠的に繰り返される低酸素(Intermittent Hypoxia; IH)状態へ、胎児を曝し、児の発育不全のみならず、生後の発達障害や生活習慣病のリスクとなる。胎内環境は、エピジェネティク機構(ヒストン修飾やDNAメチル化)により、生涯にわたる遺伝子の変性(エピゲノム変化)をもたらすことが予測される。しかしながら、妊娠母体の睡眠呼吸障害と、出生児の中枢性の成長発育障害の機構について、国内外において解明されていない状況である。 本研究課題の初年度においては、日本人妊婦のOSAの病態および出生児への影響を調査することを目的とした臨床調査の倫理申請および検査機器の選定を行い、その後、所属研究機関附属病院にて分娩予定の20歳以上の妊婦(妊娠28~36週)を対象とした睡眠ポリグラフ検査(PSG)のデータ収集を開始した。検体数の収集目標としては、データの正規性を考慮し、OSA群の目標症例数は30症例に達する必要があるが、OSA群の患者は、OSA治療を受けることを前提として、10か月の妊娠期間のOSA曝露期間を考慮し、妊娠7か月目でOSA治療を開始する場合は、統計学的には、OSA群のデータに対して、0.7の重み付けをできる。したがって、OSA群は平均7か月でOSA治療を受けると仮定すると、本調査のOSA群のサンプルサイズ(30症例)として、30×10/7=43症例が必要となる。また、妊娠後期妊婦のOSA有病率は約25%と報告されている。以上を踏まえて、172症例の妊婦を登録し、OSAの認められる妊婦43症例をOSA群、OSAの認められない妊婦129症例をコントロール群の目標とした。 また、基礎研究としては、分担研究者の所属研究機関内に設置された「小動物用IH曝露チャンバー」内で妊娠動物において、OSA患者の呼吸状態を再現し、妊娠期OSAのモデル動物の開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染症の拡大の影響を当初受けたが、現在、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナ感染症の拡大の影響を当初受けたが、現在、おおむね順調に進展しており、予定した実験計画を実施する。
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