2020 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamic in vivo fluorescence imaging analysis of Immunocytes relevant to salivary IgA production.
Project/Area Number |
20H03902
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
片岡 宏介 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (50283792)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠本 豊 大阪大谷大学, 薬学部, 准教授 (40252689)
戸村 道夫 大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (30314321)
河村 佳穂里 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20737019)
土居 貴士 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20388375)
三宅 達郎 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40200141)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NALT / 樹状細胞 / CD11c-YFPマウス / 顎下唾液腺 / AID |
Outline of Annual Research Achievements |
免疫誘導組織鼻咽腔関連リンパ組織(NALT)を介した唾液抗原特異的分泌型IgA抗体の産生メカニズムを明らかにするために、初年度は、抗原提示細胞であるNALT樹状細胞の形態学的動態解析を行なった。 蛍光タンパク(YFP)発現樹状細胞を有するCD11c-YFPマウスに我々がこれまで報告している新規のDNAアジュバントとOVAタンパク抗原を週1回計3回同時経鼻投与し、最終投与直後、4、24、48、72、96時間後のNALT部における樹状細胞分布の解析を蛍光顕微鏡により観察した。 最終投与直後と比較して、4、24、48時間後の樹状細胞数の増加が認められ、72、96時間後では投与直後と差は認められなかった。4、24、48時間後の樹状細胞は、特にNALT後方1/5部では広範囲に散在、また前方部では、左右に直線的管状に存在することが認められた。一方、顎下唾液腺、頚部リンパ節、顎下リンパ節においては、投与直後と比較して、48時間後の樹状細胞数の増加が最も強く認められた。 次に最終投与直後および24、48時間後のNALTからB細胞をセルソーターにより分取し、totalRNAを調整後、activation-induced cytidine deaminase (AID)特異的プライマーによりクラススイッチング誘導を検討したところ、24時間後のNALT B細胞において、AID遺伝子発現が最も強く認められた。また、顎下唾液腺についても同様のアッセイを行なったところ、最終投与48時間後において、AID遺伝子発現が強く認められた。 以上のことから、経鼻ワクチン投与24時間後のNALTにおいて樹状細胞によるB細胞のクラススイッチングが誘導され、また、48時間後の顎下唾液腺では、NALTからの遊走した樹状細胞によりB細胞がクラススイッチングを誘導している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大により、研究機器および実験試薬の調達に時間を要し、本来予定していたアッセイ法(qPCR法)ではなく、従来の(RT-PCR法によるゲル解析)方法により一部の予定実験を遂行した。また、同理由により、マウスの搬入困難となり、マウス提供施設での実験遂行となり、限られた実験時間での遂行となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は経鼻ワクチン接種により、NALT樹状細胞の増加するタイミング、またNALTや顎下唾液腺などの関連免疫実効組織でのB細胞クラススイッチングの可能性を示唆したが、実際にNALTおよび顎下唾液腺、頚部リンパ節、顎下リンパ節におけるB細胞が同部でIgAへのクラススイッチングしているのかを、Iα-Cμ circle transcripts (αCTs)、Iμ-Cα transcripts の遺伝子発現を検討する。 そして、上記結果を得た後、NALTおよび頚部リンパ節、顎下リンパ節、顎下唾液腺、舌下唾液腺、耳下唾液腺への樹状細胞および同経鼻ワクチン投与後のKikGRマウスのNALTから所属リンパ節への免疫担当細胞の動態解析を行う。同解析は、波長436 nmのUV光を照射することにより緑色から赤色に変化する細胞を有するKikGRマウスを用い行われる。つまり、照射された部位に存在する細胞の時系列的体内移動を可視できる遺伝子改変マウスKikGRマウスのNALT相当部に口腔内からUV照射することにより、NALTに存在する細胞を黄色から赤色にマーキングし、照射後の所属リンパ節や大唾液腺における赤色細胞の存在を蛍光顕微鏡により観察を行う。
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Research Products
(6 results)