2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidating the Evidence-Clinical Gap on Medical Care Services by Large-Scale Data Analysis
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20H03911
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
大寺 祥佑 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (20751720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 知宏 京都大学, 医学研究科, 教授 (10304156)
加藤 源太 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20571277)
高橋 由光 京都大学, 医学研究科, 准教授 (40450598)
中山 健夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (70217933)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 医療介護連携 / レセプトデータ / エビデンス診療ギャップ |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化が進む本邦において質の高い医療介護サービスの提供は喫緊の課題である。科学的根拠(エビデンス)が確立していても臨床に適用されていないエビデンス診療ギャップは医療の様々な分野で指摘されてきた。しかし介護サービスを含めた長期的なケアについてはデータの収集が困難であった。本研究は医療と介護の両方のレセプト情報を個人単位で連結したデータを用いて、高齢者に対する長期的なケアにおけるエビデンス診療ギャップを解明することを目的とする。 今年度はレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)と介護保険総合データベース(介護DB)のデータ提供申出を同時に行った。厚生労働省における審査の結果、NDBと介護DBを個人単位で連結可能なデータの提供を受けることが認められた。 申出においては、高齢者に提供される医療介護サービスの質と健康アウトカムとの関連を明らかにする研究や、医療介護サービスのばらつきとその関連要因を明らかにする等の研究テーマを設定した。そのための研究対象集団、曝露、アウトカムを同定するための傷病名、医薬品、診療行為等に関するレセプトに記載されるコードを用いたマスターの作成を行なった。またNDB、介護DB双方に対するデータ定義書に基づき、データ抽出の対象とする項目の選定を実施した。 また全国の冠動脈疾患患者に対して、運動療法を中心とする心臓リハビリテーションを実施した割合が3割程度に留まることや、その実施割合は冠動脈疾患に対する治療方法や施設の所在地域などの要因によって異なること等をNDBデータを用いて明らかにし、学術論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で利用する医療および介護レセプトを個人単位で連結したデータを得るため、NDBと介護DBのデータ提供申出を行い、厚生労働省の審査により承諾を受けた。ただしNDBと介護DBの連結データの申出の事例はまだ少なく、参考となる資料が十分に存在しなかったことなどから、申出を行うための準備に想定外の時間を要した。また介護DBの提供申出においてデータ抽出条件の不備等により条件付き承諾となり、当局と調整する必要があった。そのため現在までにNDBと介護DBの連結データを取得することはできておらず、進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
承諾を受けた申出に基づき、今後はNDBと介護DBの連結データが提供される。データを受け取り次第、データベースの構築、データクリーニング、分析を円滑に進められるよう、事前に研究プロトコルの精緻化と解析プログラムの開発を進める。データ分析の内容については、分担研究者らと共有し、結果の妥当性に十分配慮しながら研究成果の公表に向けて準備を進める。
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