2020 Fiscal Year Annual Research Report
医学研究・医療・健康診断における偶発的所見の取扱いに関する法的課題の検討
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20H03917
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前田 正一 慶應義塾大学, 健康マネジメント研究科(藤沢), 教授 (20396708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横野 恵 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 准教授 (80339663)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 偶発的所見 / 二次的所見 / 説明義務 / 画像診断 / ゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医学研究・診療・健康診断における偶発的所見(incidental findings)ないし二次的所見(secondary findings)の取扱いについて、①本邦における医学研究者・医師の意識と現時点での対応の現状を把握すること、②医学研究者・医師の偶発的所見・二次的所見の取扱いに係る義務を法的観点から検討し理論的枠組みを提示すること、③本邦の医学研究・診療等の現状に即した実践の在り方を提示することを目的とするものである。
【1.法的論点の抽出と整理】として、文献調査により法的論点を抽出・整理するとともに、法学研究者(医事法学・民事法学の研究者)へインタビュー調査を行い、意見を得た。次に、【2.判例調査】として、判例データベースを利用して国内の関連裁判例を調査した。 また、【3.先行する実態調査の把握・分析】として、今後に予定する実態調査のための基礎資料を得るために、国内外の先行調査を把握した。次に、【4.国内の対応実態についての予備的調査】として、文献や研究機関・医療機関のウェブサイト等の調査を行い、国内で偶発的所見・二次的所見への対応指針を策定している機関の有無等を調査した。併せて、医学研究者・医師へのインタビュー調査を行い、意見等を得た。 なお、【4.国内の対応実態についての予備的調査】との関係で付言すると、医学研究・診療・健康診断のうち診療・健康診断における偶発的所見・二次的所見の取扱いについては、ゲノム医療との関係を除けば、対応指針の策定が進んでいないことなどが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は対面でのインタビュー調査を予定していたが、Covid-19に係る感染対策のためオンライン調査に変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.【法的論点の抽出と整理】として、これまでに実施した論点整理、判例調査の結果に基づき、文献調査・研究会開催を通じて法的論点を分析する。また、【2.実態調査における質問紙の作成】として、上記の法的論点の整理や先行調査の分析等を活用して、実態調査における質問紙を作成する。 次に、【3.実態調査の実施】として、実態調査を行い、医学研究・診療・健康診断との関連で、偶発的所見・二次的所見の取扱いに係る医学研究者・医師の意識や対応の現状、現場で直面している課題、法的リスクに対する懸念等を把握する。 その後、【3.米国等で策定された具体的な指針の精査】として、海外の指針を精査する。 なお、Covid-19に係る諸状況を鑑み、当初予定していた実態調査と海外指針調査の時期を入れ替えて対応する。
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