2020 Fiscal Year Annual Research Report
高度情報技術が実装された臨床現場における患者-医療者の意思決定プロセスと役割
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20H03922
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
尾藤 誠司 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 室長 (60373437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 真実 帝京平成大学, 薬学部, 教授 (60848133)
藤田 卓仙 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (80627646)
浅井 篤 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80283612)
松村 真司 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 医師 (90323542)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 意思決定 / 人工知能 / 患者-医療者関係 / 倫理ジレンマ / 対話 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、AI/IoTなどの新規情報技術が医療現場に参入した際、それら分析・個別化された決断根拠に関する情報は、患者の「思考する意識(理解・認識・価値・規範/価値観)」に対してどのように作用し、影響するのか。さらには、意思決定プロセスに対してどのように作用するのか、という問いに対して、以下の分担事業を行った。
1.高度情報技術が実装された臨床現場における患者の医療に関する意思決定プロセスに関する質的分析(菊地グループ):2020年9月に東京医療センター倫理審査委員会での承認を受けたのち、自らが患者として臨床上の重要な意思決定に関わる体験をした方々に対して個別インタビューを行うとともに、理論形成補完を目的としたグループインタビューも実施した。現在、インタビューによって得られたデータを解析し、ボトムアップでの理論形成を開始している。 2.人生を変える健康関連情報を知った患者の賢明な臨床意思決定を実現するための考察(浅井グループ):当該テーマにおけるシステマティック・レビューを行い、すでに論文投稿を完了し、掲載予定の段階である。 3.“患者-医療者関係”から、“”患者-情報技術-医療者関係“へと健康情報を取り扱う関係性が変化したときに予想される変化と懸念、さらにはその対策に関する概念モデル形成(松村グループ):実証データの分析も踏まえつつ、近未来において、臨床情報の取り扱われ方が変化し、人工知能などの情報技術が参入した場合における懸念事項と対策についての理論化を進めている。2021年度中には分析および論文化まで終了する見込みが立っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新型コロナ感染症の蔓延に伴い、インタビュー調査など、本来対面型で行う調査の実施については大きな制限があったが、研究計画を対面調査ではなくオンライン面談型の調査として立案しなおした。そのため、当初の計画通りの調査を無事実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では当初の研究計画通り、あるいはそれ以上の好ましい状況で研究計画は進行している。今後も、当初の研究計画に準拠しつつ、2021年度に計画されているシナリオシミュレーションを用いた実証的調査を中心に事業を進捗する予定である。
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Research Products
(8 results)