2022 Fiscal Year Annual Research Report
混合研究法による積雪寒冷地において冬季身体活動量低下を防止するプログラムの検討
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20H03937
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
玉腰 暁子 北海道大学, 医学研究院, 教授 (90236737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 尚史 北海道大学, 医学研究院, 助教 (20775613)
佐々木 幸子 北海道文教大学, 人間科学部, 准教授 (10612294)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 身体活動 / 冬季 / 混合研究法 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初検討していた地域での調査研究の実施は困難と判断し、北海道内のK高校に場を移した。高校2年生の「探究の時間」を用いて、高校生自身に身体活動を冬季に低下させないための案を検討させ、取り組みを行った。 本授業を受講した23名の生徒は、身体活動と自分たちの健康との関連について先行研究を調べ、発表、共有し、その重要性を認識した。また、身体活動量計を装着し、自身の活動量を客観的に測定したデータを分析する技術を学習した。その上で、高校生が冬季に身体活動量を落とさないための研究計画を立案し、友人ら46名の生徒を対象とした介入研究を行った。 生徒が提案した冬季に活動量を減らさない方法は、毎朝ラジオ体操を行うことであり、23名が体操実施群、23名が対照群となった。介入前(11/18-12/14)に比べた介入中(12/16-1/14)の消費カロリーの変化は、対照群では一日平均-65.5kcalであったのに対し、体操実施群では+14.7kcalと、体操実施による活動量低下防止の効果は認められなかった。一方で、健康意識(0:健康に全く関心がない~5:健康にとても関心がある)については、健康に関心がある(4 or 5)と回答した者の割合は、対照群(介入前27%、介入後32%)に比べ体操実施群(介入前43%、介入後50%)で介入前後いずれも高かった。 このグループに参加した23名の生徒たちは、身体活動や健康問題への理解が深まった、自らの健康意識の増進につながったと自らを評価しており、将来にわたって冬季の身体活動量を維持する重要性に気づくきっかけを与える取り組みであったと考えられる。さらに、客観的なデータを分析することで得られる知見の重要性を理解できた、研究への関心が高まったとの評価も多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本来実施する予定であった地域での実施ができなかった。そのため、場を変え、高校生が自ら考え、活動を提案、実践する形で実施した調査につき、分析を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に高校で実施した実践を他への展開を念頭に混合研究法によりまとめる。
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