2020 Fiscal Year Annual Research Report
複数の疾患リスクに関わる初経・閉経年齢を規定する生活環境因子の同定とその寄与評価
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20H03939
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
永田 知里 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30283295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 高明 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (00195900)
和田 恵子 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00532673)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 初経年齢 / 閉経年齢 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、学童、妊婦と出産児、高山市住民、農村地域住民を対象とした前向きコホートにて、乳がん、卵巣がん、子宮体がん、喘息、心血管障害、骨粗鬆症、うつ病のリスク因子である対初経年齢、閉経年齢について、これを規定す生活習慣・環境因子を同定することが目的である。学童コホートでは、5年間のエントリーによる小学1年生女子約1400名を対象に、中学3年時を最終とし、追跡を実施している。中途の小学4年時、中学1年時の調査を含め、参加率が約80%であった。小学校5年時に月経状態を調査したサンプル192名において横断研究ながら、栄養と月経の有無の関連性を評価した。統計的に有意ではないものの(p = 0.09)、初経を既に迎えた者に大豆製品や魚介類の摂取量が少ない傾向が認められたが、肥満度および身長で補正後は関連性が認められなかった。 これまで研究が不十分な栄養因子に着目しているが、調査に用いられる食物摂取頻度調査票から。新しい栄養因子として、アクリルアミド、終末糖化産物、食事由来のメラトニンの摂取量を推定可能とした。食事由来のメラトニン摂取量と内因性メラトニンのバイオマーカーである早朝尿中のサルファトキシメラトニン量との相関は農村地域住民の横断サンプルにて評価した。食物摂取頻度調査票から推定したメラトニン摂取量は食事記録からの推定値とは比較的良好な相関を示したものの、尿中メラトニン代謝物とは相関が小さかった(r=0.10)。アクリルアミド、終末糖化産物、メラトニン摂取量と閉経年齢との関連について、高山市住民からなるコホートにて、前回の追跡期間のまま評価をした。年齢、BMI、喫煙歴、教育年数、運動習慣、出産数、初経年齢で補正後、両者の関連性は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地域住民(高山市と農村地域)からなる2コホートでの調査は、新型コロナウイルス感染流行を鑑みると地域関係者の負担もあり、実施が困難と考えられ進められなかった。一方、学童におけるコホートでの追跡調査は、学校・保健所関係者の協力が得られ、予定通りに進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
学童におけるコホートでは、学校・保健所関係者との良好な連携関係を保ち、追跡調査を続ける。地域住民におけるコホートでは、地域のワクチン接種の時期を考慮しながら、調査時期を諮る。 環境物質の指標であるパラベンの測定方法を完成させ、また、性ホルモン等のバイオマーカーの測定を行い、初経年齢との関連を評価する。
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Research Products
(2 results)