2021 Fiscal Year Annual Research Report
複数の疾患リスクに関わる初経・閉経年齢を規定する生活環境因子の同定とその寄与評価
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20H03939
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
永田 知里 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30283295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 高明 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (00195900)
和田 恵子 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00532673)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 初経年齢 / 閉経年齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、複数の疾患のリスク要因である初経年齢、閉経年齢について、これを規定する生活習慣・環境因子を同定することを目的としている。小学校5年、中学2年時に月経状態を調査したサンプル女子393名において横断研究ながら、尿中アクリルアミド代謝物量と月経の有無および第二次性徴との関連性を評価した。また、小学校5年生192名を対象にパーソナルケア製品に含まれるパラベン4種(メチル-、エチル-、プロピル-、ブチル-パラベン)の尿中濃度と月経および第二次性徴の関連を評価した。第二次性徴はChan NP(2010)らの身長スパート、体毛、にきび、乳房に関する質問票を用い、それぞれはっきり伸びている最中/ほぼ伸び終わった、はっきりと生えてきている最中/大体生え終わった、たくさんできている最中/できて大体で終わった、大きくなっている最中/ほぼ成長し終わった、に該当するか否かでグループ分けした。尿は早朝尿を用い、クレアチニン量で補正をした。小学校5年、中学2年の対象において月経を有する者は218名(55.5%)であった。尿中アクリルアミド代謝物量と月経および第二次性徴との関連は認められなかった。小学校5年生の対象者では、月経を有する女子(15.3%)はそうでない女子に比べメチルパラベンとプロピルパラバンが有意でないものの低い傾向にあった(p = 0.07)。また、乳房の発育は低いメチルパラベン値(p = 0.06)、発毛の発育とニキビの発生は低いブチルパラベン値(p = 0.06、p = 0.03)との関連が認められた。 閉経前女性3090名を対象とした高山コホートでは、ベースライン時における睡眠時間とその後の閉経との関連を評価した。6時間以内の睡眠習慣は7時間の睡眠に比べ、閉経を迎えるハザード比が有意に低く、また睡眠時間が短いほどハザード比が有意に低下するトレンドが認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
地域住民からなる2コホートでの調査は、新型コロナウイルス感染流行を鑑みると地域関係者の負担もあり、実施が困難と考えられ進められなかった。一方、学童におけるコホートでの追跡調査は、学校・保健所関係者の協力が得られ、予定通りに進行した。
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Strategy for Future Research Activity |
学童におけるコホートでは、学校・保健所関係者との良好な連携関係を保ち、追跡調査を続ける。地域住民におけるコホートでは、アウトカムを閉経に絞らず、協力を得やすいトピックも追加し、依頼をする。環境物質について測定方法の確立、また、性ホルモン等のバイオマーカーの測定を行い、初経年齢との関連を評価する。
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Research Products
(3 results)