胎生期・思春期の終末糖化産物の蓄積に着目した新たな精神疾患予防戦略の創出

2021 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 20H03951
• Research Institution: Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science
• Principal Investigator: 西田 淳志 公益財団法人東京都医学総合研究所, 社会健康医学研究センター, 社会健康医学研究センター長 (20510598)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 終末糖化産物 / 思春期 / 胎生期 / コホート / 環境要因 / 精神疾患 / メンタルヘルス

Outline of Annual Research Achievements

思春期コホートを対象とした脱落乳歯検体、メンタルヘルス情報等の回収を継続するとともに、前年度に試行した乳歯検体（23検体）のAGEs測定と別に、あらたに30検体の乳歯AGEs測定を行った。また、前年度までに思春期コホートから得られている2時点の尿検体を用いて尿中のAGEsとコルチゾールを測定し、それらといじめ（心理社会的ストレス）との関連を分析した。その結果、思春期におけるいじめの被害経験は、尿中コルチゾールだけでなく、尿中のAGEsと有意に関連することが明らかとなった。さらに、2時点の尿中AGEsといじめ被害のデータを使用し、クロスラグ解析を行った結果、いじめ被害が尿中AGEs上昇に先行していることが明らかとなった。これにより、思春期の心理社会的ストレスによって、尿中AGEsが上昇することを国際的にはじめて明らかにした。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新型コロナ感染拡大の影響により、一時、乳歯検体やメンタルヘルス情報等の回収に遅れが生じていたが、繰り越し期間内にその遅れは挽回され概ね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

脱落乳歯検体のAGEs解析をさらにすすめ、胎生期のAGEs曝露と思春期メンタルヘルスとの縦断的関連を検証する。さらに、皮膚AGEsデータや尿中AGEsデータと思春期コホートデータベースに蓄積された諸情報を用いて、思春期におけるAGEｓ蓄積に影響を与える発達要因や環境要因を明らかにする。

Research Products

• [Journal Article] Fingertip advanced glycation end products and psychotic symptoms among adolescents (2021)
  • Author(s): Miyashita M, Yamasaki S, Ando S, Suzuki K, Toriumi K, Horiuchi Y, Yoshikawa A, Imai A, Nagase Y, Miyano Y, Inoue T, Endo K, Morimoto Y, Morita M, Kiyono T, Usami S, Okazaki Y, Furukawa TA, Hiraiwa-Hasegawa M, Itokawa M, Kasai K, Nishida A, Arai M.
  • Journal Title: NPJ Schizophr. Volume: 7 Pages: e37.
  • DOI: 10.1038/s41537-021-00167-y.
  • Peer Reviewed / Open Access
• [Remarks] 東京ティーンコホート
  • URL: http://ttcp.umin.jp/