2022 Fiscal Year Annual Research Report
胎生期・思春期の終末糖化産物の蓄積に着目した新たな精神疾患予防戦略の創出
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20H03951
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
西田 淳志 公益財団法人東京都医学総合研究所, 社会健康医学研究センター, 社会健康医学研究センター長 (20510598)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 糖化ストレス / 胎生期 / 思春期 / メンタルヘルス / コホート |
Outline of Annual Research Achievements |
思春期コホートのサブサンプルデータを用い、皮膚AGEs(終末糖化産物)と精神病症状との関連について分析を行った。その結果、思春期の持続的な幻聴体験と皮膚AGEとの間に有意な関連が見出された。これらの関連は、抗精神病薬の服薬の影響を調整してもなお有意であったことから、思春期のAGEs蓄積が精神病症状の出現に関与している可能性が示唆される。また、思春期コホートの尿検体を用いて代表的な終末糖化産物であるペントシジンを測定し、その関連要因を分析した。その結果、思春期の低筋力がペントシジンの蓄積と関連することが明らかとなった。また、思春期のペントシジンと幻聴体験との関連を低筋力が媒介している可能性も示唆された(Suzuki et al., Schizophrenia, 2022)。このことから、思春期の筋力・筋発達が終末糖化産物の蓄積を予防し、さらに精神病症状体験を 予防する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナや世界情勢により、一時、分析に必要な試薬の調達などに遅れが生じたが、年度後半にその遅れは挽回され、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
思春期の終末糖化産物の蓄積を予防する心理・社会的要因を分析し、予防的介入点を明らかにする。特に、いじめやソーシャルサポートなど社会的ストレス要因や社会的レジリエンス要因の影響を重点的に検証する。また、脱落乳歯のAGE解析をさらに進め、胎児期と思春期の終末糖化産物の蓄積がメンタルヘルスに与える影響についても分析を行う。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Role of advanced glycation end products in the longitudinal association between muscular strength and psychotic symptoms among adolescents2022
Author(s)
Suzuki K, Yamasaki S, Miyashita M, Ando S, Toriumi K, Yoshikawa A, Nakanishi M, Morimoto Y, Kanata S, Fujikawa S, Endo K, Koike S, Usami S, Itokawa M, Washizuka S, Hiraiwa-Hasegawa M, Meltzer HY, Kasai K, Nishida A, Arai M.
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Journal Title
Schizophrenia (Heidelb)
Volume: 8(1)
Pages: 44.
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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