2020 Fiscal Year Annual Research Report
周産期における冷え症改善ナビゲーションナース育成プログラムの開発
Project/Area Number |
20H04000
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中村 幸代 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10439515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 成子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 特命教授 (70157056)
星野 崇宏 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (20390586)
大久保 菜穂子 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (80317495)
飯田 真理子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (90438854)
竹内 翔子 横浜市立大学, 医学部, 講師 (00758261)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 冷え症 / 周産期 / 教育プログラム / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、冷え症改善支援実施率の低い看護職に対し、妊婦を冷え症改善に導くための共通ケアプログラムを作成することである。主な研究実績として、以下の2つがあり、専門の学術誌に投稿し原著として採択された。 ①妊婦健診に携わる看護職の冷え症ケア実施の実態と影響要因:目的は冷え症ケアの実態を明らかにし、冷え症ケア実施に影響を与える要因について分析することである。結果として周産期において、妊婦健診時の冷え症ケア実施の割合は44.1%と低く、施設別では、助産所(96.9%)に比べて病院(38.6%)と診療所(33.7%)での冷え症ケア実施割合は有意に低かった(p<0.001)。また、冷え症ケア実施に与える大きな影響要因は、「冷え症の学習経験」であることから、今後は妊婦健診に関わる看護職に対し冷え症に対する学習の機会を提供していく必要があることが課題として明確になった。 ②看護職の冷え症妊婦に対する関わり方の基本姿勢、構成要因の探索抄録:目的は看護職の冷え症妊婦に対する関わり方の基本姿勢の構成要因を探索することである。733名を対象に分析した結果、基本姿勢の構成要因は、「触れて冷えを確認する」「共に冷え症改善行動を考える」が冷え症ケアに特化した因子であり、「共感的態度で傾聴する」「ペースや意向を尊重する」が看護全般に共通する因子として示唆された。次のステップは、本研究で明らかになった基本姿勢を基盤として行動レベルでの具体的なケア尺度の作成することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響で、助産所や臨床でのインタビュー等の実施ができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、冷え症改善支援実施率の低い看護職に対し、妊婦がセルフケアにて日常生活の中から冷え症を継続して改善できるように、妊婦を冷え症改善に導くための共通ケアプログラムを作成することである。今後の推進方策として、「研究実績の概要」で明確になった課題やステップに基づいて研究を遂行していく。 主には、冷え症改善ナビゲーションナース育成プログラムである「看護職を対象とした冷え症妊婦ケア尺度(仮)」の開発をし、その信頼性と妥当性の検証を行う。そのための具体的な計画は、①「冷え症改善ナビゲーションナース育成プログラム」の開発に関わる国内外の文献を検討して、冷え症ケアの概念枠組みを作成する。②先行研究から冷え症妊婦ケア尺度の項目を抽出する。③冷え症ケアを実施している熟練助産師へのインタビューを実施する。インタビュー内容は、冷え症改善の実際と効果的な支援の実際など、冷え症妊婦に対しては冷え症改善の実際と継続する上での促進因子と阻害因子、医療者へのニーズなどである。④研究方法の立案と研究計画書の作成を行う。⑤倫理審査委員会への申請と承認後に調査を実施する。⑥分析、評価をする。⑦次の研究への課題を明確にする。 なお研究結果は、専門分野の学会発表および学術誌への投稿を実施し、広く公表していく。 遂行する上での問題点は、昨年度に続き新型コロナウイルスの影響のため助産所や臨床でのインタビュー等の実施ができないことである。その場合は、zoomでインタビューを行うなど工夫していく。また、具体的な調査方法はアンケート調査となるが、新型コロナウイルスの影響により優先順位が低くなり回収率が低くなることが予測される。その場合、対象範囲や実施期間を変更するなど迅速に対応していく。
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Research Products
(13 results)