2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of body movement measuring devise of low birth weight infant and exploring the relation on body weight and developmental indicators of infants
Project/Area Number |
20H04003
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Research Institution | 湘南医療大学 |
Principal Investigator |
島田 啓子 湘南医療大学, 大学院保健医療学研究科, 教授 (60115243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 裕介 金沢大学, 附属病院, 講師 (50622817)
窪田 和巳 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (50728946)
鶴見 薫 湘南医療大学, 大学院保健医療学研究科, 助教 (50858511)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 低出生体重児 / 体動計測 / 正常新生児 / 機器開発 / 定量計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
低出生体重児のNICU管理中の体動は、全身状態や発達を評価するうえで重要な所見でありながら、その所見は観察者の主観的な評価にとどまっている現状にある。 本研究は、NICU入院中の低出生体重児の体動を長時間連続的に測定し、定量的に評価できる体動計測システムを開発すること、そしてNICU退院後に児の定量化された体動数と児の生育・発達指標との関係を明らかにすることを目的とする。 2020年度は、圧電センサを用いた小型な体動計測システムを開発した。本機器は、コントローラ本体部、体動検出部、介護者検出フットスイッチ部、電源部から構成されている。また、コントローラー本体部はマイクロSDカードが装着され、測定データがマイクロSDカードに保存されるたため、計測の為にPCを測定時に使用しない特徴がある。 開発した機器の信頼性を明らかにするために、3軸加速度センサを併用した出生体重児モデル実験を行った。低出生体重児モデルの体動測定は、2Kgの児の模型モデル(以下児モデル)の表面に3軸加速度センサ(クロスボー社、CXL02LF3)を固定して行った。体動として児モデルへ左右のX軸方向と垂直のZ軸方向へ1時間にわたり5分毎に5回の振動を加えた。体動計測システムと3軸加速度センサとで同時に測定した。モデルを用いた振動による児の体動数について、体動計測システムによる圧電位と加速度センサによる加速度のピーク値は有意な一致が見られた。 本研究で開発した体動計測システムを利用することで非侵襲的に体動の検出の可能性が示唆されることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナの収束が一進一退して見通しが明確でないが、児の体動計測の器の開発を行い、その後の信頼性・妥当性の確認を行っている。 現在の問題点は、開発器材を用いる計測対象がNICU入院中の児であることから、新型コロナの影響を受けて、対象協力病院への立ち入りができない状況となり、開発器材の試行導入について保留状態であった。対象児の事例リクルートの蓄積には施設の出入りの許可が出ないため、コロナ収束を一時待機している状況であり、低出生体重児でなくても、正常新生児の観察で開発した機器の試行を行うことに一部転換している。その体動計測の安定性や改善点がないか試行検討を重ねて、コロナの収束を待つことにした。当初の研究計画では、低出生体重児のリクルートを器材開発と同時に行う予定であったが、コロナによる施設の出入りが非常に厳しいため、新たな施設での協力依頼を追加して検討している。また低出生体重児の体動計測に限らず、正常新生児の体動の特性を踏まえて比較検討できる基礎資料が収集できるように努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)児の体動計測時に児の全身の動きのビデオ収録を併用して、本研究により開発した体動計測システムの更なる妥当性・信頼性を確認を進める。 2)新型コロナの影響により、新生児の計測をする病院への出入りが極めて困難であるが、可能な範囲での新生児・低出生時の計測を行い進めていく。 3)新たな計測先の確保を行う。 4)計測対象児のその後の電話訪問を行い、対象児の保護者に出生後の発育および発達状況などを母子検討手帳から聞き取り調査と発達状況の確認を行う。 5)新たな対象児のリクルート協力施設との連携ができるように、施設ごとの倫理的審査を受審する作業を進める。 6)長時間の体動計測を試行する計画であったが、コロナによる対象児の負担や環境汚染を予防的に考える為に、体動観察と計測時間の短縮によるデータになる可能性を否めない。この点は主治医と保護者の同意および対象児の健康状態をケースバイケースで確認しながら、観察と体動計測の時間の長短は調整していくこととする。
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