2021 Fiscal Year Annual Research Report
Optimizing the wound microbiota of pressure injuries by adjusting the wound environment: Development of a wound biofilm control technology
Project/Area Number |
20H04010
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仲上 豪二朗 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (70547827)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須釜 淳子 藤田医科大学, 保健衛生学部, 教授 (00203307)
峰松 健夫 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (00398752)
大貝 和裕 金沢大学, AIホスピタル・マクロシグナルダイナミクス研究開発センター(保), 准教授 (40706983)
真田 弘美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50143920)
北村 言 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (80801951)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | バイオフィルム / マイクロバイオーム / 難治性創傷 / 超音波デブリードマン |
Outline of Annual Research Achievements |
褥瘡感染は死に至る合併症であり、予防のためにはその病態の根本にある創部バイオフィルムの制御が重要であるが、未だその対応は困難を極める。本課題ではこれまでに臨床応用した創部バイオフィルムの迅速可視化/非侵襲除去法をさらに発展させ、「創部バイオフィルムを形成する褥瘡細菌叢の改変技術(=褥瘡細菌叢の最適化)」を開発するために次の研究を実施する。①創部バイオフィルム形成に寄与する細菌叢の形成メカニズムの解明、②創傷環境調整により褥瘡細菌叢を最適化する方法の考案、③新規手法のバイオフィルム抑制・創傷感染予防効果の検証。 本年度は創部バイオフィルム形成に寄与する細菌叢の形成メカニズムの解明のため、これまでの研究成果で明らかになったディスバイオシス状態を実験的に模した細菌叢を移植することにより不顕性の感染状態である臨界的定着モデルをラット創部において開発した。本モデルを用いて臨界的定着成立のメカニズムを検証した結果、ディスバイオシス群の肉芽組織では炎症抑制的に機能する制御性T細胞が少なかったため、制御性T細胞を抑制したところ、常在細菌叢部の創部において、肉芽組織への好中球の浸潤が多く、治癒が遅延した。以上より、常在細菌叢の創部では制御性T細胞を介して過剰な炎症が抑制され、正常に治癒するのに対し、ディスバイオシス状態の細菌叢の創部では、制御性T細胞が少ないことにより過剰な炎症が抑制されず、その結果臨界的定着が引き起こされていることが示唆された。本結果はバイオフィルム形成抑制法を検討するための基礎的なモデル開発であり、次のステップに進むための重要な知見を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新たなバイオフィルム抑制方法を検証するためのモデルが確立でき、また、モデルの解析を通して新たな臨界的定着成立メカニズムの一端が解明できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画通り進める。
|
Research Products
(6 results)