2021 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト熱放散反応におけるTRPチャネルの役割解明 -熱中症予防法確立を目指して-
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20H04065
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤井 直人 筑波大学, 体育系, 助教 (00796451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 達郎 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (60734522)
近藤 徳彦 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70215458)
西保 岳 筑波大学, 体育系, 教授 (90237751)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | TRPV1 / TRPM8 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、TRPM3に着目して実験を行った。しかし、TRPM3のアゴニストであるプレグネノロンを皮内透析法で皮下投与しても、皮膚血管拡張は起こらなかった。さらに、TRPM3の阻害薬であるオノネチンを皮内透析法で皮下投与しても、局所加温による皮膚血管拡張に影響しないことが明らかとなった。一方で、本年度はTRPV1とTRPM8の活性化が、局所皮膚温度を変化 (15°C → 43.5°C) させた際の皮膚血流量応答と温度感覚に及ぼす影響を、安静時と運動時で検討した。安静時の実験の主な結果は、カプサイシンを塗布した際に30°C、35°C、40°Cおよび43.5°Cにおける皮膚血流量が高値を示したこと、3) カプサイシンを塗布した際に局所皮膚温度の増加に対する皮膚血流量増加の局所皮膚温閾値が低温側にシフトしたこと、いずれの局所皮膚温 (15°C - 43.5 °C) における皮膚血流量もメントール塗布 (TRPM8を活性) の影響を受けなかったことであった。運動時の実験の主な結果は、カプサイシンを塗布した際に30°C、35°Cおよび40°Cにおける皮膚血流量が高値を示したこと、メントールを塗布 (TRPM8を活性) しても、局所皮膚温 (15°C - 43.5 °C) による皮膚血流量応答は変化しなかったことなどであった。さらに、T局所皮膚温を15°C - 43.5°Cに変化させた時の皮膚血管拡張応答に及ぼすカプサイシンの効果は、安静時と運動時で異なる (運動時にその効果が小さくなる)ことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連の論文がJ Cardio Pharmacolに掲載され、さらに関連の実験も予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、TRPV3をターゲットにした実験を計画する。具体的にはTRPV3のアゴニストであるカルバクロールの皮膚局所部位への投与が皮膚血管拡張を起こすかを検証する。さらに、もしカルバクロール由来の皮膚血管拡張が観察されたのであれば、その応答を抑制するアンタゴニスト (HC030031など)の同程度、その最適濃度を探る。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] TRPA1 channel activation with cinnamaldehyde induces cutaneous vasodilation through NOS, but not COX and KCa channel, mechanisms in human2021
Author(s)
Yufuko Kataoka, Glen Kenny, Takeshi Nishiyasu, Tatsuro Amano, Toby Mündel, Huixin Zheng, Tze-Huan Lei, Koichi Watanabe, Naoto Fujii
Organizer
Experimental Biology 2021
Int'l Joint Research