2020 Fiscal Year Annual Research Report
多種競技における頭部衝撃継続収集と大規模力学解析に基づく脳震盪発生基準の構築
Project/Area Number |
20H04073
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮崎 祐介 東京工業大学, 工学院, 准教授 (70432135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 晴雄 東邦大学, 医学部, 講師 (10537377)
張 月琳 上智大学, 理工学部, 准教授 (20635685)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 傷害バイオメカニクス / スポーツ脳振盪 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではスポーツにおける広範な衝撃条件に対応した脳振盪発生基準を構築することを目的とする.具体的には以下の4点に関して研究を行うことを目的としている. (1)マウスピース型衝撃センサによる実競技環境下における衝撃条件・診断情報統合データの 継続収集, (2)世界唯一の次世代頭部ダミーとシミュレーションによる衝撃再現に基づく脳 変形情報の取得,(3)衝撃条件・診断情報・脳変形挙動からなる脳震盪データベースの構築 (4)機械学習により広範な衝撃条件に対応した脳震盪発生基準(人工知能モデル)を構築する. 上記のうち(1)については,コロナウイルス禍による制約のため,実競技環境下での頭部衝撃計測は困難であった.そこで,研究対象を広げ,実験室環境下でも衝撃計測が可能なサッカーにおけるヘディングを対象として,マウスピース衝撃センサを用いた衝撃計測を実施した.(2)については,(1)で計測したサッカーにおけるヘディング時の頭部衝撃データに基づきヘディング衝撃再現シミュレーションを行い,(3)のデータベースの構築を実施した.さらには,野球ボール衝突を再現したコンピュータシミュレーション,学校環境下での事故データベースに基づくサッカーにおける頭部衝撃再現シミュレーション,柔道における頭部加速度計測を再現した頭部運動シミュレーションを実施し,種々の衝突条件下における脳変形情報のデータベース化を実施した.(4)については,新たに脳ひずみ波形の特徴に基づくクラスター分析を活用した脳振盪判別手法の開発をおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルスの影響により,アメリカンフットボールや柔道を対象とした実競技環境下におけるマウスピース型衝撃センサを用いた頭部衝撃計測が困難な状況となっている.さらに,英国ラフバラ大学での野球やサッカーにおける頭部衝撃条件を再現した頭部実体モデルを用いた実験についても,コロナウイルスの影響により英国渡航ができなかったため実施できていないからである.
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルスによる制限のため,これまでに行えていなかったが,野球のみならず柔道における頭部衝撃計測も実施するべく,協力機関との協議を進めている. 渡航制限が解除されることを見込み,今秋に英国ラフバラ大学にて野球ボール衝突実験を行う予定である.さらに,サッカーボール頭部衝撃実験も計画に加え,当初計画には含まれていなかったサッカーにおけるヘディング時の脳の影響を検討する実験も実施する予定である.
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Research Products
(9 results)