2021 Fiscal Year Annual Research Report
Africa and Women in the Area of Sport for Development and Peace (SDP)
Project/Area Number |
20H04076
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 千あき 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 准教授 (40335401)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 開発と平和のためのスポーツ / SDP / ジェンダー / エンパワメント / 女性 / タンザニア / 南スーダン / ジンバブエ |
Outline of Annual Research Achievements |
世界各国で開発・平和構築を目的とした様々なスポーツ活動が行われているが、スポーツを行えば開発や平和が実現されるという単純な図式は成り立たない。スポーツ実施が社会あるいは個人に何らかの「変化」もたらすことが重要であるが、具体的な変化を促す「スポーツの特徴」「スポーツの本質的価値」に関する議論は不十分である。 本研究では、開発や平和構築の周縁に置かれ、これらが最も重要であると考えられる「アフリカ」の「女性」に着目する。社会的困難を有する中でも行われるスポーツ活動を検証することで、これまであまり注目されてこなかった手段としてのスポーツの価値を再考することが目的である。 サブ・サハラ・アフリカの3か国(タンザニア、南スーダン、ジンバブエ)の「女性のための開発と平和のためのスポーツ(SDP)活動」について調査を行う。3ヶ国での現地調査に先駆けて、「各国の女性スポーツの歴史と現状」「SDP活動の目的と内容」に関して、これまでに収集した資料の整理とZoom等を用いた予備調査の実施をメインに研究を進めた。 これらの調査結果を、各国の社会経済状況、SDP活動でみられた「個人」「コミュニティ」「社会」などの異なるレベルにおける成果と照らし合わせるために、ジンバブエにおいてフィールドワークを実施した。ジンバブエでは、Young Achievement Sports for Development(YASD)というローカルNGOにより女性のためのSDP活動が行われておりフィールドワークによって、実際のSDPの現場における生の声や情報を収集することができた。また、南スーダンについても予備調査を行い、フィールドでインタビュー調査を行う際の前提条件の整備や問いの選定などを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部、調査の予定を変更したが、ジンバブエの予備調査、本調査を行うことができ、データ収集を完了している。南スーダンについては、オンラインの活用や国内での情報収集を念入りに行うことで本調査に入ることができた。タンザニアについては、予備調査が終了しており、今後、本調査、予備調査を行う予定である。国際学会への参加は叶っていないが、論文や報告書などを通じて成果の一部を公表し、国内外の関係する研究者や実務者とのネットワークを構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
事前調査、本調査の位置づけのフィールドを実施することができたため、今後は、収集したデータをまとめ、論文投稿、国際学会での発表、書籍の発刊などを通じて公表する。コロナ禍での新たな試みとして、オンラインを用いてやり取りをしたり、国内の研究者、実務者との新たなネットワークを作ることができた。これらのネットワークを活用し、また、メディア等を用いることで成果を分かりやすく発表し、SDP分野全体の周知を高めることを目標としたい。
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Research Products
(7 results)