2022 Fiscal Year Annual Research Report
アクティブタッチのトレーニングに伴う運動の遂行・学習・回復の促進と脳神経機序解明
Project/Area Number |
20H04093
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Research Institution | Sony Computer Science Laboratories, Inc. (Research Lab.) |
Principal Investigator |
平野 雅人 株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(Research Lab.), Research Lab., 研究員 (40852223)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 体性感覚 / 熟練運動スキル / 感覚トレーニング / 運動制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.アクティブタッチのトレーニングは打鍵時における知覚だけでなく,打鍵力の正確性に関する運動スキルも向上する.初年度に,トレーニングに伴う打鍵力の正確性向上はテンポの速い運動ではなく,遅い運動でのみ生じることが明らかとなった.その機序として,速いテンポは感覚情報を運動に統合するフィードバックゲインが低く,トレーニングの効果が般化しなかったことが考えられる.そこで本年度は,運動のテンポに応じてフィードバックゲインが実際に変化するか確かめる行動実験を実施した.結果,テンポが速くなるにつれてフィードバックゲインが下がることが明らかとなった.初年度の結果と合わせて,アクティブタッチのトレーニングは知覚を向上させ,その効果はフィードバックゲインの高いテンポが遅い運動におけるスキルに般化することが明らかとなった. 2.アクティブタッチは運動を伴うため,異なる運動を実施すれば,その結果として得られる感覚情報も変化する.そのため,アクティブタッチのトレーニングでは,知覚の感度を最大化する最適な運動を探索する“能動的探索”の関与が考えられる.本年度は,その可能性を検証するため,トレーニングの前後とトレーニング中において,課題に関連する6つの筋肉から筋活動を記録した.まず,トレーニング前のデータから非負値行列因子分解法を用いて筋活動パターンを抽出した.次に,抽出した筋活動パターンを用いて,トレーニング中およびトレーニング後の筋活動データを最小二乗法を用いて再構成した.結果,アクティブタッチのトレーニングが進むにつれて,トレーニング前の筋活動パターンによる筋活動の再構成精度が低下することが分かった.これは,アクティブタッチのトレーニングに伴い筋活動パターンが徐々に変化していることを示す.被験者は事前に何の教示も受けていなかったことから,被験者が運動を能動的に探索していることが示唆される.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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