2020 Fiscal Year Annual Research Report
糖質応答転写因子ChREBPを標的とした糖尿病性腎症の病態解明・新規創薬
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20H04099
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅原 明 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90270834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩渕 好治 東北大学, 薬学研究科, 教授 (20211766)
横山 敦 東北大学, 医学系研究科, 助教 (20572332)
岡本 好司 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (80572247)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 糖尿病性腎症 / ChREBP / 化合物ライブラリー / ハイスループットスクリーニング / 構造最適化 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は当該年度に下記を明らかにした。 1)糖尿病性腎症(DN)の発症・増悪におけるChREBPの関与・作用機構の解明: 我々は、CRISPR/Cas9システムを用いて全身性のChREBPホモノックアウト(ChREBP-/-)マウスを作成した。現在、本マウスと2型糖尿病モデルでDNを発症するdb/dbマウス(db/+mマウス)を交配させることにより、ChREBP欠損2型DNモデルマウス(ChREBP-/-:db/dbマウス)を作成中である。また、東北大学病院 腎・高血圧・内分泌科の腎生検組織を用いた検討を行うために、東北大学医学部倫理委員会への申請を行い、承認を得た。 2)D532のDN改善効果の機序解明および実用化・臨床応用に向けた構造最適化: 我々は、D532の一端を伸長して末端をビオチン化することによりD532プローブを作成した。現在、同プローブをビーズに固相化して細胞抽出液と反応させた後に、アビジン‐ビオチン反応を利用してアフィニティ精製を進めている。今後は質量分析装置を用いてD-532標的因子の同定を進めていく。また、ChREBPの核内移行に対するD532の作用の検討を核移行実験にて、ChREBPの標的遺伝子結合に対するD532の作用の検討をChIPアッセイにてそれぞれ進めており、一部結果が得られつつある。さらに、D532の水溶性をより高めるための検討を行っており、得られた化合物の1型・2型DNモデルマウスへの投与を準備中である。 1)は予定よりやや遅れているが、2)に関しては当初の予定以上の進捗が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ChREBP欠損DNマウスの作成ならびにそのマウスを使用しての解析は予定よりやや遅れているが、東北大学医学部倫理委員会への申請は承認を得ており、さらにD532プローブ作成ならびにそれを用いての解析は予定より進んでいる。また、核内移行実験やChIPアッセイ等のD532のIn vitro実験も予定を上回るペースで研究成果が得られていることから、(2)おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の方針としては、下記の実験を予定している。1)ChREBP欠損DNマウスを作成した後に同マウスのフェノタイプ解析ならびに同マウスから抽出したRNAを用いてのRNAシークエンシング・解析を行うことによりChREBP標的遺伝子を明らかとする、2)ヒト腎生検組織から抽出したRNAを用いての定量PCRを行うことによりヒトにおけるChREBP標的遺伝子発現を検討する、3)作成したビオチン化D532プローブを用いてD532の標的分子を同定する、4)核内移行実験、ChIPアッセイによりD532作用の分子機序を解明する、5)水溶化D532を1型・2型DNモデルマウスに投与することにより同化合物のDNに対する効果を検証する。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Discovery of a chemical compound that suppresses expression of BEX2, a dormant cancer stem cell-related protein2021
Author(s)
Saijoh S, Nakamura-Shima M, Shibuya-Takahashi R, Ito R, Sugawara A, Yamazaki T, Imai T, Asada Y, Matsuura K, Iwai W, Wakui Y, Abue M, Kawamura S, Katayose Y, Fujimori H, Mochizuki M, Yasuda J, Yamaguchi K, Sugamura K, Satoh K, Katori Y, Tamai K
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Journal Title
Biochemical and Biophysical Research Communications
Volume: 537
Pages: 132~139
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] FABP7 Regulates Acetyl-CoA Metabolism Through the Interaction with ACLY in the Nucleus of Astrocytes2020
Author(s)
Kagawa Y, Umaru BA, Shima H, Ito R, Zama R, Islam A, Kanno S, Yasui A, Sato S, Jozaki K, Shil SK, Miyazaki H, Kobayashi S, Yamamoto Y, Kogo H, Shimamoto-Mitsuyama C, Sugawara A, Sugino N, Kanamori M, Tominaga T, Yoshikawa T, Fukunaga K, Igarashi K, Owada Y
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Journal Title
Molecular Neurobiology
Volume: 57
Pages: 4891~4910
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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