2022 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪との共存を介した糖尿病抑制策実現のための肝実質調節機構の探究
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20H04112
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
熊代 尚記 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20535207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鴫山 文華 金沢医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70808188)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪肝 / 肝インスリン感受性 / 肝脂肪量 / 除脂肪肝臓体積 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、非アルコール性脂肪肝を有しながらも1年以上肝インスリン感受性を良好に保持した患者の特徴を解析・解明し、2022年12月に沖縄で開催された日本肥満学会で結果を報告し、論文作成に取り掛かった。 具体的には、生活習慣、体組成、内臓・皮下脂肪量、1H-MRS法による肝・筋細胞内脂肪量、安定同位体グルコースを用いたクランプ検査による肝・筋・脂肪組織特異的インスリン感受性、肝生検(病理診断と遺伝子発現)、血中バイオマーカーを、ベースラインと1年以上経過した後に測定し(肝生検はベースラインのみ)、収集した全データを集計して肝インスリン感受性保持に寄与する因子を探索した。解析手法としては、まず、肝臓のインスリン感受性の変化量について上・中・下の三分位に分け、上と下の2群の患者背景を比較し、脂肪肝において肝インスリン感受性を良好に保持した群の特徴を分析した。更に、脂肪肝において肝臓のインスリン感受性保持に寄与する因子を回帰分析で網羅的に探索した。これらの結果から、脂肪の蓄積量よりも脂肪の質、すなわち脂肪組織のインスリン感受性が重要であることを見出した。興味深いことに、インスリン標的臓器として、筋肉より脂肪組織の方が肝臓のインスリン感受性保持に強く寄与していた。 以上のヒトの縦断解析に加え、以前の我々の横断研究の結果から除脂肪肝臓体積が肝インスリン感受性の程度に強く関与していることが示唆されたことから、除脂肪肝臓体積と肝インスリン感受性の双方に関連する2つの遺伝子に着目し、ノックアウトマウスを群馬大学の研究室で新規に作成していただいて入手し、F3まで継代して表現型の解析を開始した。2つのうちの一つであるRho family GTPase2については、その抑制効果を2022年6月の日本内分泌学会総会で報告した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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