2020 Fiscal Year Annual Research Report
Regulation of incretin secretion by microbiota metabolites
Project/Area Number |
20H04121
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪井 貴司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80415231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北口 哲也 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (60432374)
原田 一貴 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (60830734)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 消化管ホルモン / 腸内細菌 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症や自閉スペクトラム症、また糖尿病や肥満症との関連が指摘されている腸内細菌代謝産物を、小腸内分泌細胞株およびマウスの消化管(小腸および大腸)に直接に投与し、消化管ホルモン(グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP))分泌への影響を検討した。解析の結果、消化管内分泌細胞へ腸内細菌代謝産物を消化管内分泌細胞に投与したところ、11種類の腸内細菌代謝物の投与によってGLP-1分泌が増強された。そこで、11種類の腸内細菌代謝産物をマウスの小腸へ直接投与したところ、6種類の腸内細菌代謝産物によって、GLP-1分泌が増強されることが分かった。一方、2種類の腸内細菌代謝産物では消化管ホルモン分泌が抑制された。一方、大腸への直接投与してもGLP-1分泌が増強されることはなかった。GLP-1分泌を促進した6種類の腸内細菌代謝産物の作用機序を明らかにするために、細胞内Ca2+および細胞内ATPの濃度測定を可能にした蛍光タンパク質センサーを小腸内分泌細胞株に遺伝子導入し、影響を受ける細胞内情報伝達経路の同定を試みた。さらに、細胞の代謝状態を可視化解析するための分子プローブも開発した。具体的には、細胞内のピルビン酸および乳酸の動態を高時間分解能で可視化解析するための緑色蛍光タンパク質を基盤とした単色輝度変化型乳酸センサーおよびピルビン酸センサーを開発した。開発した緑色乳酸センサーは、乳酸存在下で蛍光輝度が約5倍に、緑色ピルビン酸センサーは、ピルビン酸存在下で蛍光輝度が約3倍に上昇することが分かった。小腸内分泌細胞株に6種類の腸内細菌代謝産物を投与したところ、細胞内Ca2+とATP濃度上昇が観察された。一方、乳酸やピルビン酸濃度には変化が見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
緊急事態宣言が発令されたため、数カ月ほど研究室に入構できなかった。そのため、当初計画していた実験を一切行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
小腸内分泌細胞株に細胞内cAMP、cGMP、さらに細胞内グルコースの濃度測定を可能にする蛍光タンパク質センサーを細胞に遺伝子導入し、腸内細菌代謝産物の投与によって影響を受ける細胞内情報伝達経路の同定を試みる。
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Research Products
(1 results)