2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of novel physiological effects of amino acid signaling and its mediated lifespan extension and immune exhaust
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20H04135
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
小林 聡 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (50292214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和久 剛 同志社大学, 生命医科学部, 准教授 (40613584)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アミノ酸 / アルギニン欠乏 / シグナル伝達経路 / 遺伝子発現 / NRF3 / mTORC1 / マクロピノサイトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞は高い増殖能を維持するために多量の栄養素や酸素を必要とするが、低栄養状態にあるがん微小環境に適応できるように、細胞内代謝を変化させている。そのような栄養状態の感知や代謝変動を担う細胞内シグナル系としてmechanistic/mammalian target of rapamycin complex 1 (mTORC1) シグナルが知られている。mTORC1シグナル伝達経路については、これまでにタンパク質の翻訳後修飾を介した様々な活性化メカニズムが解明されてきたが、遺伝子発現という視点からの解析結果はほとんどない。 本研究計画における本年度では、様々ながん組織で高発現している転写因子NRF3 (NFE2L3)に着目し、その腫瘍増大機構を詳細に解析した。その結果、NRF3は細胞外のアルギニン量の低下に応じて活性化し、RagCとSLC38A9等の遺伝子発現を誘導することでmTORC1経路を活性化することを発見した。さらにRAB5遺伝子の発現誘導を介してマクロピノサイトーシスも活性化し、細胞外環境からアルギニンをはじめとする栄養素を取り込んでいることも見出した。またNRF3によるmTORC1活性化はミトコンドリアの機能維持につながり、がん細胞の生存ないし増殖を亢進していた。最後に申請者は、Nrf3ががんの免疫回避機構にも関わる可能性を野生型マウスへの同系移植実験で見出した。以上の成果は、遺伝子発現制御を介した新たなmTORC1経路の活性化メカニズムと、NRF3がアルギニン量に応答する誘導型転写因子であるという2つの大きな発見につながった。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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