2022 Fiscal Year Annual Research Report
Design of exponential-time quantum algorithms
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20H04138
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森 立平 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (60732857)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 量子アルゴリズム / 量子クエリ計算量 / Groverのアルゴリズム / グラフアルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフの k-頂点被覆問題と k-マッチング問題について、パラメータkに依存したクエリ計算量の量子アルゴリズムを開発した。具体的にはクエリ計算量 O(√k n + k^{3/2} √n) で隣接行列オラクルで与えられたグラフにサイズ k以下の頂点被覆が存在するか判定する量子アルゴリズムを開発した。また、クエリ計算量 O(√k n + k^2) で与えられたグラフにサイズ k以上のマッチングが存在するか判定する量子アルゴリズムを開発した。また、クエリ計算量の下界 Ω(√k n) を導出した。上記のアルゴリズムは kの値が小さいとき、クエリ計算量は O(√k n) となり、得られた下界と一致するので最適であることが分かる。 k-頂点被覆問題に対する量子アルゴリズムは Grover量子アルゴリズムと古典パラメータアルゴリズムの手法であるカーネル化を組み合わせることで得られた。また、k-マッチング問題に対する量子アルゴリズムは Groverのアルゴリズムを必要に応じて用いるアルゴリズムの計算量をポテンシャル関数を使って解析することによって得られた。 これらのアルゴリズムは初めてのパラメータ化量子クエリアルゴリズムであり、新しい研究分野を切り開くものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パラメータ化量子クエリアルゴリズムを導出することができた。これは新しい研究分野を切り開くものであると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
パラメータ化量子クエリアルゴリズムの結果を論文投稿する。この研究分野をさらに発展させることがこれからの課題である。また、従来の時間計算量が指数である量子アルゴリズムの開発も引き続き推進する。量子クエリアルゴリズムの知見が応用できないか検討する。
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