2022 Fiscal Year Annual Research Report
Quantum Algorithms for Large-Scale Quantum Computers: New Horizons and Applications
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20H04139
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
ルガル フランソワ 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (50584299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 泰介 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (20432461)
平原 秀一 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 准教授 (80848440)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 量子アルゴリズム / 量子分散計算 / 量子計算量理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は量子アルゴリズムの開発および量子コンピュータの計算能力の究明について、様々な側面から研究を推進し、数多くの成果を得た。 まず、量子特異値変換(QSVT)という、量子アルゴリズムを記述するための統一されたフレームワークについて研究した。低次数の多項式に関連するQSVTを任意の定数精度で効率的に脱量子化する方法を示し、高速な古典アルゴリズムを構築した。その一方、高次数の多項式に関連するQSVTについては、脱量子化の不可能性を示唆する成果を得た。その成果により、化学計算における量子アルゴリズムの優位性を厳密に証明することができた。 次、計算量理論の側面から量子コンピュータの計算能力の究明に取り組んだ。量子・古典ハイブリッドモデルにおいて、様々な計算に対して必要な計算資源を厳密に解析した結果、量子・古典ハイブリッド回路の深さが計算能力に大きく影響することを明らかにした。また、困難性自己増幅という概念に着目して、Fine-grained Complexityの既存研究で研究された自然な分布問題について、困難性の自己増幅の結果を証明した。 さらに、量子分散アルゴリズムの開発に取り組んだ。2021年度に引き続き、分散検証という枠組みで量子分散アルゴリズムの計算能力を調査した結果、量子分散計算の優位性を証明することに成功した。また、グローバルな問題、つまり帯域幅が制限されていない場合でも直径時間を必要とする問題に対して、新しいテクニックを導入し、様々な高速な分散アルゴリズムを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
量子アルゴリズムや計算量理論について、様々な側面から数多くの成果を得て、その結果を理論計算機科学の重要な国際会議および査読付き国際論文誌で発表することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、量子特有の効果を生かした量子アルゴリズムの開発および量子コンピュータの計算能力の究明を目指す。2023年度は特に分散計算と計算量理論の知識をもとに、量子コンピュータの新しい応用先を開拓していく予定である.また、本研究課題の最終年度となるため、得られた研究成果の周知に力を注ぐ。
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Research Products
(25 results)